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「とかち太郎」が奏功、川西ナガイモ輸出好調

輸出向けが好調に推移している20年産の十勝川西長いも(JA帯広かわにし提供)

 全量が新品種(とかち太郎)に切り替わったブランドナガイモ「十勝川西長いも」の輸出が好調だ。2020年産は出荷が始まって以降、注文が寄せられている3月中旬まで、前年を16%ほど上回るペースで推移している。香港の試験輸出も始まった。生産の中核を担うJA帯広かわにしは「生産基盤を強化し、輸出需要にさらに応えたい」としている。

 20年産の出荷は昨年11月にスタート。このうち輸出向けは、3月13日までに921トンに上っている。19年産の同時期(3月末時点、797トン)と比べて15・6%の伸びで、16年産以降では2番目の水準。

 20年産から切り替わったとかち太郎は従来品種より直径が太く、輸出量の伸びに貢献。中国文化圏でナガイモは健康食材や薬膳として重用され、サイズの大きなものが好まれる。とかち太郎はこうした輸出需要も見込んで導入され、20年産の10アール当たり収量は4500キロと前年より1割増加している。

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 現在は米国、台湾、シンガポール、カナダに輸出しており、北米(米国とカナダ)が輸出量の77%を占める。中国系住民の消費も多い北米は前年同時期から31%も伸びた。JA帯広かわにしは和食ブームに加え、「ナガイモは免疫力を高めるとされ、コロナ禍で引き合いが強まったのでは」とみている。

 昨年12月には香港への試験輸出を実施。香港側の依頼を受けて200ケース(計2トン)を送り、ナガイモが現地スーパーに並んだ。今後の継続的な取引が期待される。

 20年産は管内9JAの267戸(551ヘクタール)で作付け。21年産からJA豊頃町も加わる。JA帯広かわにしは「輸出は国内価格を安定させるという側面でも重要。生産者からの期待も大きく、需要に応えていきたい」としている。(中島佑斗)

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