コロナ禍で注目 ナカジマ薬局のドライブスルー調剤
新型コロナウイルスの感染予防で接触機会の抑制が求められる中、調剤薬局のナカジマ薬局(札幌、中島久司社長)が帯広をはじめ道内店舗で取り組むドライブスルー調剤に、関心が高まっている。
帯広発祥の同社は、1999年に開局した協会病院前店(帯広市東6南8)で管内で初めてドライブスルー調剤を導入した。店舗横にドライブスルーレーンを確保し、専用の窓口を設置。患者は乗車したまま処方箋を専用窓口へ渡したり、スマートフォンの調剤予約アプリ「CARADA(からだ)」を使ったりして、降車せずに薬を受け取ることができる。
幼児を連れた親や、悪天候の通院時などに利用されてきた。導入は店の立地などに左右されるが、十勝管内では協会病院前店に続いて公立芽室病院近くのめむろ店でも取り入れ、現在は札幌や函館など道内8店舗に広がった。
全体では店内で受け取る患者が多く、ドライブスルー利用者の大半は利点を感じるリピーター客が占める。ただ、コロナ禍で待合を避ける傾向もあり、新規の利用者が目立つようになってきた。幹線道路に近く、車で立ち寄りやすい札幌市内の店舗では、他の病院で処方された薬の調剤の依頼も増えているという。
専用窓口では「車の窓を閉めたままにしてください」などと書かれたシートを示して意思疎通を図って、会話や接触の機会を減らしている。数年前からドライブスルー調剤を使う帯広の接客業の女性(36)は「小さい子は動き回るので、乗り降りしないで薬をもらえるのは助かる」と話す。
同社薬局事業部の中田祐一部長代理は「(開局時は)コロナ禍のようなことが起きると思わなかったが、こうした店舗をつくっていてよかった。安心して使える薬局だと知ってもらいたい」としている。(安田義教)