郵便車両を使った高齢者の送迎開始 上士幌
【上士幌】上士幌町は、上士幌郵便局の集配車両を活用した地域交通の実証試験を8日から始め、10日に初めて高齢者が利用した。将来を見据え、さまざまな交通を連携させるなど持続できる町内交通の在り方を探る。町によると郵便車両を地域交通に利用するのは全国で初めて。
試験はICT(情報通信技術)を活用し、将来の地域交通について検証するのが目的で、農村地区2路線で予約制の福祉バスを試験運行している。郵便車両の試験は18日までの火木金曜に行う。
郵便車両での送迎は、萩ケ岡地区の高齢者が対象。利用者は予約した上で、午前11時ごろ萩ケ岡簡易郵便局(上士幌東3線288)に上士幌郵便局から郵便回収のため訪れた車に同乗し、市街地に向かう。通常の業務で走る経路上に設けられた上士幌クリニック、交通ターミナル、上士幌郵便局のいずれかで降車する。
この日は、同地区の鵜澤新一さん(90)が上士幌クリニックまで利用。鵜澤さんは、運転免許証を3月に返納し、市街地に用があるときは、福祉バスを利用するか、家族に送迎してもらっていたという。
郵便車両での移動について「乗り心地は最高だった。これほどありがたいことはない」と鵜澤さん。タブレット端末での予約も「教えてもらって操作できるようになった」と話していた。(平田幸嗣、大海雪乃)