てん蔵に「雪踏み」システム追加 十勝農協連
インターネットを通じて土壌凍結の深さなどを調べられる営農支援システム・てん蔵に、冬場に行う「雪踏み」作業の適期などを確認できる機能が加わった。運営する十勝農協連(山本勝博会長)では、「野良イモ」対策としてシステムの利用を呼び掛けている。
収穫しきれず畑に残ったジャガイモは野良イモとして雑草化するため、土壌凍結を進めて凍死させる必要がある。各農家は厳冬期になると畑をしま状に除雪して地表を露出させる「雪割り」や、ローラーで圧雪する「雪踏み」を行っている。
十勝では雪割りが広く行われているが、トラクターに付けたV字の羽根で雪を割るため、越冬中の秋まき小麦を傷つけるリスクがあった。これに対し圧雪する雪踏みは小麦を傷めないため、近年実施する農家が増えている。
「てん蔵」は十勝農協連と日本気象協会(東京)が連携して開発。従来の機能は、雪割りの最適な作業日のみを計算していた。雪踏みが広がっていることから、昨年12月下旬に機能を拡充した。
雪踏みを実施した日を登録すると、現状の凍結と今後の凍結深の予測をそれぞれ確認できる。野良イモを低減させつつ、春作業に影響が出ない凍結深は30センチ程度とされ、十勝農協連は「(てん蔵を活用して)今後の雪踏みのスケジュールを立てることができる」としている。
「てん蔵」は会員登録(無料)すると、スマートフォンやパソコンから利用できる。問い合わせは農協連農産部農産課(0155・24・2134)へ。(中島佑斗)