過去最少7.4億円 十勝倒産負債額 東京商工リサーチ
東京商工リサーチ帯広支店(椿原賢一支店長)は、2019年(1~12月)の十勝管内倒産件数をまとめた。全体で13件、負債額は7億4755万円だった。負債総額は記録が残る1976年以降で最少、件数も過去2番目の少なさだった。負債5億円以上の大型倒産も発生しなかった。同支店では「農業の成長が多くの産業に波及効果を与え、堅調な業績につながっている」としている。
負債総額1000万円以上で内整理も含む。
1件当たり平均の負債額は5750万円で、前年より46・3%減少した。最も負債額が大きかったのは、9月に倒産した帯広市の飲食店の2億900万円。件数がゼロの月は3、4、10月。11月と12月は1件(負債額は11月・5520万円、12月・5300万円)だった。
これまでの最少は17年の8件、10億8330万円。1985年(83件、190億1600万円)やリーマン・ショック後の2009年(34件、195億400万円)など200億円に迫る年もあったが、近年は落ち着き、18年(17件、18億1874万円)も低水準だった。
地域別では帯広市が9件(前年比2件減)で全体の69・2%を占めた。業種別では建設、サービスが各5件で全体の38・5%。原因別で最も多かったのは販売不振の9件で、全体の69・2%となっている。
椿原支店長は「基幹産業の農業の下支えで全般的に景気は安定している。ただ大型建設事業が地元に少なく、東京五輪後の先行きに不安があり、倒産が増える可能性もある」と話している。
13件負債7.9億円 「景気に陰り」も
帝国データ
帝国データバンク帯広支店(山元勝海支店長)の2019年の企業倒産は13件、7億9100万円(負債1000万円以上の法的整理のみ)。18年(16件、16億9500万円)と比べて改善された。負債総額は04年以降では最少。要因は販売不振が11件とトップだった。
山元支店長は「小売業の倒産もあり景気に陰りが見えてきている。TPP11など世界情勢が不安定な中、今後、倒産件数の増加につながらないか心配」としている。(佐藤いづみ)