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信大教授ら高齢者の歩行分析 鹿追

計測器を着けて施設内を歩く高齢者(中央)と研究の関係者ら

 【鹿追】信州大学教育学部・大学院医学研究科の寺沢宏次教授らの研究チームは社会福祉法人鹿追恵愛会の協力で、認知症の評価手法の確立を目的とした研究に取り組んでいる。高齢者の歩行の特徴から認知症の兆候を読み取ろうとする試みで、正確な評価を予防や改善につなげたい考え。2、3の両日は、町内の介護老人保健施設もみじの里の通所者を対象とした歩行試験が行われた。

 寺沢教授によると、認知症ではさまざまな脳機能が衰えるが、評価・診断に当たっては記憶障害ばかりが注目されがちという。そのことによる弊害が、例えば運転免許更新時の認知機能検査にもあり、寺沢教授は「記憶力はパスできても、空間認識能力が衰えていれば事故につながる」と説明する。

 チームは脳機能の衰えが表れる場面として「歩行」に着目。歩行時の動作分析、脳血流量計測、目線解析により、認知機能障害のある高齢者とそれ以外の人の特徴を把握することとした。動作分析には、スピードスケートの小平奈緒選手の動作計測にも用いられている、加速度センサーによる計測技術が使われる。

 もみじの里での試験には寺沢教授と、動作分析を担当する香山瑞恵・同大工学部教授、計測技術を開発した東陽テクニカ(東京)の二上貴夫参事、目線解析を担当する永井孝・ものつくり大学総合機械学科准教授が参加。研究に協力する高齢者15人が一人ずつ、各種計測器を身に着けて施設内の廊下を歩いた。

 寺沢教授は「年を取っても認知症にならず、仕事ができる社会を目指さないとならない。まずは正しく認知症を捉えることが不可欠」と話す。法人側で研究責任者の山本進しゃくなげ荘施設長は「定義があいまいな認知症について、データに基づいて整理することが予防・改善にもつながる」と期待している。(丹羽恭太)

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  • 計測器を付けて施設内を歩く高齢者(中央)ら

    計測器を付けて施設内を歩く高齢者(中央)ら

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