大樹に2年ぶり大気球 上空28キロから微生物採集 JAXA
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日早朝、町多目的航空公園内の大樹航空宇宙実験場で、2年ぶりとなる大気球実験を行った。実験では、成層圏に浮遊する微生物の捕獲を試みた。
JAXAは2008年度から町内で大気球実験を実施。昨年度は天候不順で町内での実験を見合わせた。
微生物の捕獲実験は2016年度、17年度に続いて3回目。微生物が地球上のどの高度まで生息しているかなどを調べる。今回は成層圏に浮遊する微生物を3層の高度ごとに採集し、千葉工大が分析する。
大気球は極薄のポリエチレンフィルム製でヘリウムガスで飛翔。この日は午前4時5分、最大で直径42メートルになる大気球1基を放球した。目標高度の約28キロに到達し、同5時45分に気球から採集装置を分離、パラシュートで降下中に微生物を捕獲した。採集装置は実験場から南東・約35キロの海上に着水、同6時半ごろまでに船で回収した。
JAXA大気球実験グループの吉田哲也グループ長は「フライトは成功。2年がかりでようやく(実験成果を)上げることができた」と話していた。
今年度の大気球実験は今回で終了。今後、極薄太陽電池を貼り付けた小型ゴム気球を水素ガスで打ち上げる実験を9月上旬までに行う。(松村智裕)