父娘夢かなえ「ピリカル珈琲店」開店 大樹
【大樹】町晩成在住の緒方清さん(74)と、娘の彩子さん(37)=帯広在住=が今月、国道336号沿いの町晩成274に「ピリカル珈琲店」を開店した。眺めのよい一軒家カフェで、清さんが長年こだわってきた自家焙煎(ばいせん)コーヒーと、札幌のカフェなどで経験を積んだ彩子さんの料理でもてなす。
市街地に和食店として移転したカフェ「橙(だいだい)」の店舗を、緒方さん親子が借りた。元農家を改装した店舗をそのまま利用し、木目調を生かした内装となっている。
東京出身で、元削蹄(さくてい)師の清さんは豆選びや焙煎からこだわるコーヒー好きで、以前から「店を開きたい」と考えていた。彩子さんは町内の尾田小、中学校(現在はともに閉校)出身で、製菓専門学校卒後は札幌のカフェなどで腕を磨き、「いつか家族で店をできたら」と思い描いていた。
メニューは清さんが淹(い)れるブレンド(400円)など各種コーヒーの他、彩子さんが作るパスタやピザ、タルトなどの豊富なデザートもある。自宅で清さん夫妻が育てたパクチーや小松菜、ズッキーニなど季節の野菜も、ふんだんに取り入れる。地域で作られる大樹農社湖水地方牧場のチーズも料理やデザートに使う。
清さんと彩子さんは「家族でお店を開くのは、現実的に機会がなかったが、ちょうどいいタイミングでお店を借りることができ、開店できてうれしい。コーヒーや一から手作りにこだわった料理を楽しんでもらえれば」と話している。
「ピリカル」はアイヌ語で「美しい道」。営業は午前11時~午後5時。火・水曜日定休。
問い合わせは同店(01558・7・8008)へ。(眞尾敦)