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学校給食にも野菜提供 瓜幕バイオガスプラント

有機野菜の水耕栽培が本格化しているビニールハウス

 【鹿追】2016年から稼働する町瓜幕バイオガスプラント(町瓜幕西30線)で、余熱を利用したビニールハウスが完成し、葉物野菜の有機水耕栽培が本格化している。収穫期を迎えた一部は、町内の学校給食に提供したり、道の駅でも販売。有機野菜のブランド化など、今後の可能性に期待が高まる。

 町内で2基目の同プラントは、1日当たりの最大家畜ふん尿処理量が210トン。既存の町環境保全センターの2・2倍の規模になる。

 敷地内に通年栽培が可能な全天候型の巨大ビニールハウス(約757平方メートル)を建設。余熱はパイプを通してハウスに送られ、室温を20度に保つ。事業費は1億7585万円、半額を国の地方創成拠点整備交付金で賄った。

 ハウスの中には、全長約30メートルの高床式栽培ベッドが8レーンあり、順次野菜の苗を定植している。指導した石井孝昭農学博士(元愛媛大教授)によると、病害虫への抵抗性を高めて養分や水分の吸収促進する菌根菌(きんこんきん)と、パートナー微生物(細菌)を水耕栽培の有機培養液に使用しており、濃度は「通常の約1割で栽培できる」という。葉物は45日を収穫の目安にする。

 トマトや小松菜、チンゲン菜、水菜の一部は、学校給食に月5、6回提供するほか、道の駅でも販売。特に小松菜は、えぐみが少なく好評という。町農業振興課は「野菜の通年栽培で、新産業の創出につなげたい」と話す。

 施設管理を担当する地域おこし協力隊の小関翔太さん(30)と石井裕美さん(35)は「この施設から鹿追有機野菜のブランド化や加工など、新しい可能性にチャレンジしてみたい」と意気込んでいる。
(大井基寛通信員)

関連写真

  • 有機野菜の水耕栽培が本格化しているビニールハウス。(左から)吉田弘志町長も石井農学博士から説明を受けた

    有機野菜の水耕栽培が本格化しているビニールハウス。(左から)吉田弘志町長も石井農学博士から説明を受けた

  • 有機野菜の水耕栽培が本格化しているビニールハウス。(左から)吉田弘志町長も石井農学博士から説明を受けた

    有機野菜の水耕栽培が本格化しているビニールハウス。(左から)吉田弘志町長も石井農学博士から説明を受けた

  • 有機野菜の水耕栽培が本格化している瓜幕バイオガスプラント内のビニールハウス

    有機野菜の水耕栽培が本格化している瓜幕バイオガスプラント内のビニールハウス

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