馬搬林業を再現 幕別・忠類の蛭川さん
【幕別】乗馬体験などができる牧場「ノースポール・ステイブル」(町忠類共栄161)で、ばん馬が木材を運ぶ「馬搬」が行われている。馬搬林業に取り組む胆振管内厚真町の地域おこし協力隊西埜(にしの)将世さん(37)が忠類を訪れ、牧場を営む蛭川徹さん(42)千鶴子さん(52)夫妻と協力。山に優しい、昔ながらの手法復活に取り組んでいる。
同牧場では、引き馬や乗馬体験などを受け付けている他、馬車、馬耕体験などのイベントにも出掛けている。乗馬コースなどとして使う山林を所有しており、昨年の台風で倒木が大量に発生。馬仲間で知り合った西埜さんが今年から馬搬林業に取り組んでいると聞き、牧場に招いた。
西埜さんの愛馬「カップ」(2歳、せん馬)は、ばんえい競馬の能力検査を通過できなかったが、馬搬用に引き取った。牧場の山で昔ながらの馬そり状の用具に木材を積むと勢いよく駆け出し、ばん馬本来の力を発揮して仕事をこなした。
西埜さんは恵庭市出身で大学で林業を学び、環境に配慮して馬搬が行われているヨーロッパを視察した経験もある。「馬にとっても、人にとってもよい経験になっている」と、忠類で手法の習得や改良に励む。
蛭川千鶴子さんは「狭い通路でも運べるので、森を傷付けない。十勝の馬文化を残すことにもつながるので広めたい」と話す。
同牧場での馬搬は27日まで行っており、事前連絡があれば希望者の見学を受け付ける。
問い合わせは同牧場(090・1524・3912)へ。(眞尾敦)