思い出した! 20年前の記憶 “謎のタイムカプセル”開封 本別勇足中
【本別】勇足中学校で22日、“謎のタイムカプセル”が開封された。20年前、1997年3月に同校50周年を記念して埋められたもので、当時の1~3学年52人の自分宛ての手紙などが入っていた。集まったかつての仲間たちは懐かしい思い出とともにあの日に帰った。
50周年時から数えて8代目となる同校の阿部立校長が今夏、学校金庫の中に、「タイムカプセル開封用 20年後に使用」と書かれた袋とともに工作器具(はんだごて)を見つけた。調べると、「20年後」とは今年のことで、カプセルが体育館教員室の床下に眠っていることを突き止めた。
埋設は50周年式典の期成会(既に解散)事業として企画され、97年3月の卒業式後に行われたため、当時3年生の記憶はあいまい。一方で1、2年生にはうっすらとカプセルについて覚えている状況だった。
この日は当時1年生2人、2年生3人、3年生7人の12人が集まり、床下に直径約70センチのカプセルを確認。開封用はんだごてでは接着部が剥がれないハプニングもあったが、約30分かけて他の工具で開けた。
複数のポリ袋から、式典のビデオテープ(VHS)や記念新聞、写真、Tシャツへの寄せ書き、そして自分への手紙も。保存状態もよく、歓声が上がり一気に同窓会モードへ。
「結婚してますか、教師になってますか。つらいことがあっても頑張って」と自分に宛てた帯広の三上亜里紗さん(36)=当時3年=は「懐かしいですね、結婚してませんが。発達支援の仕事をしていて、子どもに関わるという意味では近い。カプセルの存在には驚きです」と笑顔。
「大規模農業をしているのでは」と書いた地元勇足の星達也さん(36)=同=は「酪農を続け、今は150頭に規模を拡大しています。結婚して子どもができて、日々仕事に追われる20年、充実しているということでしょうか」と話した。
カプセルと思い出の品は、個人的なものを除き、29日に行われる同校文化祭で披露される。阿部校長は「どうにか役目を果たせたという思い」としている。(木村仁根)