「原料供給問題なし」 畑と貯蔵施設公開 カルビーポテトチップス
カルビー(東京)と原料調達を担う子会社のカルビーポテト(芽室)は20日、十勝管内のジャガイモ畑や貯蔵施設を報道陣に公開した。昨夏の台風で主産地の管内が被害を受け、ポテトチップスの原料になるジャガイモが不足。今春は販売を中止、休止する商品が相次いだが、収穫期終盤を迎えた今年の収量について「供給に問題ない」と強調した。
カルビーポテトが年間に仕入れる国産ジャガイモの8割が道産で、うち十勝産は4割を占める最大の生産地。管内は8~10月が収穫期で、作業は終盤を迎えている。同社によると、ここまで仕入れ状況は順調で、計画通りに進んでいる。
帯広市岩内町の後藤淳志さん(47)の畑では、収穫作業の最盛期。管内に約600戸ある契約栽培農家の1人の後藤さんによると、昨年のような品質低下もなく、収量は例年の1割増を見込む。後藤さんは「新しい品種に切り替えているが、収量は良くて今年は豊作といえる出来」と笑顔を見せた。JA帯広かわにしの貯蔵庫では、ジャガイモの状態や商品の用途に合わせて温度や湿度などをコンピューター管理する最新の施設が公開された。
昨年産の原料不足の影響を大きく受けた同社は、十勝を主産地としながらも道内他地域でも栽培面積の拡大を図り、天候リスクに対応する考え。病気に抵抗力のある品種の研究や、省力化が可能な機械の導入などで、安定した原料の供給体制を後押しする。
同社の中村一浩社長は「消費者の皆さんには『ポテチショック』でご心配をかけたが、今年はジャガイモはしっかり供給できる。国産ジャガイモの確保に努めていきたい」と話した。(安田義教、小縣大輝)