こいのぼり人気 端午の節句に向け商戦出足好調
5月5日の「端午の節句」に向け、帯広市内の大型店で五月人形商戦が熱を帯びている。今年は特に、こいのぼりが人気を集めている。兜(かぶと)飾りは戦国武将モデルの他、住宅事情からコンパクト商品の需要が高い。
端午の節句は男子の健やかな成長や立身出世を願い、身を守る鎧(よろい)や兜を飾り、こいのぼりを立てる。
藤丸では2月から特設売り場を展開。戦国武将をモデルにした兜飾りやこいのぼりなど70種類以上がそろう。長さ1~10メートルまで用意したこいのぼりの価格は3万~100万円。近年は屋内に飾る商品も注目され、ちりめん製で愛嬌ある表情が特徴の吊し型やマジックテープで自由に貼れるタペストリー型などがある。
売れ行きは好調で、子供家庭用品課の浦島行子係長は「販売数は昨年の3倍以上。第一子が誕生し、5メートル前後のこいのぼりを購入する家庭が多い」と話す。
兜飾りの売れ筋は15万円前後で、大河ドラマなどの影響からか、伊達政宗と上杉謙信モデルの人気が高いという。
イトーヨーカドー帯広店でもこいのぼりは人気で、8万から30万円台まで多様な種類を扱う。高嶋嗣仁文具玩具マネジャーは「庭が広い十勝の土地柄から、全国の店舗の中で帯広店の販売数は最も多い。圧倒的に」と説明する。
離れて暮らす孫に贈る祖父母が多く、マンション暮らしなどの住環境を考慮し、兜飾りなどはケースに入ったコンパクトタイプが人気だ。端午の節句までまだ1カ月あるが、こいのぼりの売り上げは既に昨年を上回っている。商戦のピークは先週から今週にかけてと見ている。
今年のこいのぼり人気の理由は明確ではなく、関係者は「雪解けが早く、出足が良かったのでは」などと推測。一部ファンからは、鯉(英語でカープ)を球団名に持つプロ野球・広島カープが昨年、25年ぶりにリーグ優勝した影響ではとの声も。(池谷智仁)