「道産ワイン」ブランドに 地理的表示10日に申請
池田町ブドウ・ブドウ酒研究所など道内21カ所のワイナリーでつくる「道産ワイン懇談会」(会長・勝井勝丸池田町長)は1月10日、一定の基準を満たした道産ワインに「北海道」の地理的表示(GI)ができるよう国税庁に申請する。冷涼な地理要件を由来とする酸味の強い道産ワインの特徴を消費者に分かりやすく伝え、国際的なブランド化を狙う。審査が順調に進めば、今春に指定され、新しいGI制度下で初の地名ワインとなる。
同懇談会はGI指定を目指して約3年前に検討を開始。2015年10月に表示ルールが見直されたため、内容の修正を重ね申請を目指してきた。ワインのGI指定の申し立ては全国で初めてとなる。旧制度でもワインのGI指定は山梨県ワイン酒造組合が申し立てした「山梨」だけ。
「北海道のワイン」と名乗れるのは、原料のブドウが道内で栽培されていることが基準となる。池田町で栽培される「清見」「清舞」「山幸」をはじめ、後志管内などの全道約50種とした。寒冷地特有の栽培の工夫のほか、ワインの味は本州産とは異なる酸味をポイントに挙げ、「補酸」は原則認めない。赤、白、ロゼ、スパークリングのいずれも対象となる。
ワイン業界や有識者でつくる「使用管理委員会」が味を確かめ、合格したワインが「北海道のワイン」となる。将来は余市、十勝など地域別GIも視野に入れる。
欧州の場合、GIがあると「上質なワインの証」とされる。勝井会長は「北海道のワインの品質、特徴を商品を通して消費者に理解してもらいやすくなる。国が認めるGIは日本国内だけでなく世界的なブランドとなるので意義が大きい」と期待する。
(関坂典生)