十勝童話会に文部科学大臣表彰
今年度の「子どもの読書活動優秀実践団体」として、十勝童話会(天野和幸会長、会員23人)が文部科学大臣表彰を受けた。帯広市図書館での月1回のお話し会を中心に、子どもたちへの読み聞かせなどを続けて43年。会員たちは「今後も火を絶やさないよう続けていきたい」と意欲を新たにしている。
同表彰は、子どもの読書推進に貢献した学校や図書館、団体・個人を対象に文部科学省が行っている。今年度、表彰されたのは全国で141校、48図書館、58団体で、管内からは唯一、十勝童話会が選ばれた。
同会は1973年に、当時、幼稚園教諭だった天野さんを会長に発足。「テレビの隆盛で語りが家庭から消えつつあった」(天野会長)中、危機感を覚えた市図書館の呼び掛けに、当時帯広緑丘小学校校長だった故関邦二さんが応え、始めた月1回のお話し会が前身となった。
現在は30代~70代の主婦や元教員らを中心に構成。市図書館で毎月第1土曜日にお話し会を開いている他、市内や管内の学童、小学校向けなどにも活動している。「語り」ではテレビやスライドは取り入れず、顔と顔を合わせることを重視。「生きている者同士のコミュニケーションが大事。その上で『楽しかった』『また来たい』と思ってもらえるような場をつくるよう頑張っている」(同)という。
14日に市図書館で伝達式が行われ、市教委の神田亜紀志生涯学習部長が天野会長に表彰状を手渡した。
天野会長は「図書館のおかげで得られた賞。とてもうれしい」とし、今後に向けては「会はろうそくの火のようなもの。今までより明るくすることはしないが、火を絶やさないようにしたい」と話した。
(大木祐介)