広尾の新谷さん「テキーラマエストロ」に
【広尾】町内のすし店「鮨正」の若旦那、新谷要一さん(39)が日本テキーラ協会(東京)が認定するテキーラ・マエストロの資格を取得した。店にも約30種類をそろえており、「テキーラの魅力を伝えていきたい」と話している。
テキーラはメキシコのテキーラ村周辺で作られている地酒。アロエに似たブルーアガヴェという植物の球根を使った蒸留酒で、同国の5つの州で作ったものしかテキーラと名乗れない。ウイスキーやワインなどが入っていた樽(たる)で熟成させることで、さまざまな香り、口当たりになる。アルコール度数はウイスキーと同程度の35~55%。種類は2000を超えるといわれる。
新谷さんがテキーラを飲み始めたのは2014年ごろ。「最初はおいしいと思ったことがなく、ばかにしていた」が、札幌でテキーラバーを営んでいる友人に、米焼酎や芋焼酎のような香りのテキーラを勧められ、香りの豊富さに驚いたという。
これをきっかけに、興味が湧き、さまざまな種類を試し、魅力に取りつかれていった。資格を取得したのは昨年10月。テキーラの歴史、作り方、飲み方などについての講義受講後、試飲して産地を当てるテイスティングと筆記試験を突破した。マエストロは全国で3000人ほどがいるという。
店で扱うテキーラは種類に応じてショットグラス1杯400円~5000円。飲んだ後、カカオの香りが鼻に抜けるものや、世界で1万2000本、国内では180本しかない貴重なものもある。
新谷さんは「昔は罰ゲームで飲まされるお酒などと悪いイメージがあったが、今は世界でもテキーラを飲む習慣が定着してきている。香りや口当たり、値段が安くてもおいしいなど飲むたびに驚きがあるお酒」と話している。
同店では1人2000円でさまざまなテキーラを少量ずつ飲める「テキーラ講習会」を行っている。(伊藤亮太)