昭和30年代の更別地図発見 コピーを村内施設へ
【更別】上更別郵便局の山角幸一郎局長が、昭和34年にカラーで発行された村の市街地図を局内の物品庫から発見した。旧広尾線の駅を起点に栄えた当時のまちの姿が手に取るように分かる興味深い資料で、上更別活性化協議会(今村敏幸会長)が複写版を村内主要施設に配布した。山角局長と今村会長は「村の移り変わりを身近に感じてほしい。歴史を知る高齢者と今を生きる若者をつなぐ橋渡しになれたら」と期待している。
昨年末、小・中学校の記念誌や過去14、5年前までの村広報などを保管している物品庫を整理していた山角局長が、偶然冊子の間に挟まっていた地図を発見した。B2判の地図「更別村市街案内図」には昭和34年2月発行と記されており、発行元は北日本出版社とある。
この地図によると、今は商店が姿を消した上更別市街地には、当時自転車商会や呉服店、薪炭商、豆腐店、理容店や鉄工所、国民診療所もあった。また、駅にはJAさらべつ上更別支所の倉庫が隣接しており、農作物を列車に積んで運んでいたことがうかがえる。更別市街地にも、本通り商店街は40近い商店が並んでおり、当時上更別-更別間を列車に乗って更別農業高校へ通った同協議会の田川正弘副会長は「にぎやかで駅までの道のりが楽しかった」と懐かしむ。
同協議会はカラー印刷して村役場やふるさと館、更別街なか交流館ma・na・ca(マナカ)などに寄贈。マナカでは、地図の拡大版をホールへ飾るという。同協議会は「貴重な資料であり、多くの人の目に触れてほしい」と話している。(小寺泰介)