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「大臣賞」返上へ イベント自粛の動き ばんえい問題

1月2日開催の帯広記念のポスター。すでに「農林水産大臣賞典」の文字が印字されている(17日午前11時半ごろ、帯広観光コンベンションセンターで。金野和彦撮影)

 ばんえい競馬の騎手らが違法に馬券を購入していたとされる問題に関連し、主催する市が、帯広記念(来年1月2日)とばんえい記念(同3月20日)に提供される「農林水産大臣賞」の返上を検討している。また、個人や企業による協賛レースの協賛辞退の意向も調べている。市ばんえい振興室は「関係者全員がことの重大さを認識するため」としている。

 同賞は中央・地方競馬の主要レースに提供される。両レースはともにばんえい最高峰の「BG1」に位置する。特にばんえい記念は1968年に「農林水産大臣賞典」として創設された歴史があり、98年に改称後も騎手や調教師、馬主らにとっては「大臣賞」として目標になっている。ファンにとっても、最高重量1トンのそりを引く最高峰の一戦として人気が高い。

 すでに今年度は両レースへの同賞提供を申請し、承認されているが、市は申請の取り消しを検討している。また、個人・企業などのレース協賛については、事件を受けて取り止めを希望することも考えられることから、協賛予定者に意向を聞いている。個人ではこれまでに取り止めを決めた人はいないという。他にも市では、正月開催(1月1~5日)時の祝賀色の強いイベントは自粛を検討している。

 競馬を監督する農水省では事件に関し、市への行政処分などは「今の段階では検討していない」とする。同室は「主催者への処分がなくても、われわれも含めて関係者全員が自戒しなければならない。関係者一丸となって、帯広単独開催10年目の来年度を迎えるためにも、一度リセットして原点を見詰め直したい」としている。(丹羽恭太)

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