十勝オーバルも候補に 札幌冬季五輪スケート会場
2026年の冬季五輪・パラリンピック招致を目指す札幌市が、スピードスケート競技の会場候補の一つに明治北海道十勝オーバル(芽室町)を検討している。十勝開催を求めていた地元の関係者からは期待の声が挙がった。
施設を所有する帯広市によると、「札幌だけでなく広域開催を検討する中で、オーバルの名前を挙げさせてほしい」と先週連絡があった。札幌市が今年度中にまとめる大会概要計画に、道立真駒内公園屋外競技場(札幌市南区)の建て替え、札幌ドーム(同豊平区)周辺での新設とともにオーバルを活用する案が出ているという。
札幌市は大会後の施設利用や道内の活性化の観点から一部競技の広域開催を検討。アルペンスキーの会場候補地に、後志管内倶知安町やニセコ町、富良野市のスキー場の調査も行った。17年2月の冬季アジア札幌大会では、帯広市がスピードスケートの会場になっている。
ただオーバルの収容能力は観客席約1000席、立ち見客も含めると最大で約3000人。五輪の施設基準は観客席6000席とされ、席数を増やすことが必要になる。札幌-帯広間の選手移動などの課題もある。
市教委スポーツ振興室は「あくまでも選択肢の一つの段階だが、帯広の名前が出るのはありがたい。今後の札幌側の議論の推移を見守り、調査など必要な部分は協力したい」とする。
会場候補の一つに浮上したことに対し、4月に札幌市長と意見交換するなど十勝開催を求めている帯広商工会議所のにぎわい創出特別委員会の笹井祐三委員長は「五輪は十勝を世界にPRする絶好の機会。会議所活動を通じて地元の機運を高めていきたい」と話す。
帯広スピードスケート連盟の佐々木通喜理事長は「札幌開催の方が観客は集まるが、大会後の利用を考えると札幌は選手数は少ない。十勝開催はいろいろなメリットがあり、子供たちに五輪を見せることもできる」と語る。
(安田義教)