「交通安全訴えるタヌキ」 まちマイ上士幌編・番外
国道241号沿いのガソリンスタンド(「サトウ機工」経営)前に、随分前から旗を持って交通安全を訴える2匹のタヌキがいる。しかもその手に携えるのは、酒を入れるための「とっくり」??-。その謎を取材した。
制作者は町内在住の佐藤勇さん(79)。長らく左官業を営み、道職業能力開発協会技能検定委員を長年務めた人物だ。約30年前に役場の交通課から「なにか人目につくものを」と依頼され製作したという。「当初は交番前にあったが、車通りが多いこの場所に移動した」佐藤さん。
コンクリート製で、「簡単に移動ができるよう、中を空洞に骨組みを作り、コンクリートを重ねた」という。タヌキは他(た)を抜(ぬ)く意味で商売繁盛の象徴とされる。しかも交通安全なのに、なぜとっくり?。佐藤さんは「旗を支える支柱の役割を果たすためにつけた。遊び心だよ」と笑う。
佐藤さんの元にはこのタヌキがきっかけで本来の商売繁盛用タヌキの製作も頼まれるように。これまで7体を寄贈した。寄贈先にちなみ、頭にヘルメットを被ったり、おさげ髪のメスダヌキだったりするという。(河崎真以子)
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