とかちむらに水素燃料電池設置 テナントに電力供給へ
鹿追町内で家畜ふん尿を活用した水素燃料の製造供給を行う実証事業で、帯広競馬場内の「とかちむら」に水素燃料電池の設置が検討されている。とかちむらのテナントなどに電力を供給し、コストや寒冷地での使用に支障がないかなどを確認し、普及の可能性を探る。2016年度中の設置と運転開始を目指している。水素の利活用に関しては、道内の各地域で水素関連ビジネスにつなげてもらうことを目的に道が勉強会を開催するなどの動きがあり、新たなエネルギーとして注目が高まっている。
とかちむらに設置が検討されているのは、出力0・7キロワット時の燃料電池2台。幅66センチ、奥行き41センチ、高さ1・41メートル。鹿追からボンベで水素を運んでくる。電力と発電時に発生する60度程度の温水をテナントなどで活用し、光熱費や二酸化炭素(CO2)の削減につなげる。1日当たりの発電量などは未定で、通常テナントで消費している電力分を賄える量にはならないという。
実証事業は環境省の「地域連携・低炭素水素技術実証事業」として、エア・ウォーター(本社大阪)など4社が実施する。鹿追町が運営するバイオガスプラント「町環境保全センター」内に水素製造装置と水素ステーションを設置し、同センターで製造するメタンガスから水素を製造する。製造した水素は水素自動車やトラクター、町内のチョウザメ養殖施設、マンゴー温室などで活用する計画。事業期間は15~19年度の最長5年。(津田恭平)
25日に勉強会
「水素関連ビジネスの展開・促進に係る勉強会」(道主催)が25日午前10時から正午まで、十勝総合振興局で開かれる。参加無料。
エア・ウォーター産業カンパニーエンジニアリング事業部の井上知浩担当部長が「家畜ふん尿由来水素を活用した水素サプライチェーン実証事業について」、エアープロダクツジャパンTGEE事業部マネジャーの重清秀雄氏が「現在の国内外の水素インフラ事業の取り組みと新たな水素ビジネスの可能性」と題して講演する。定員50人。申し込みは道経済部産業振興局環境・エネルギー室環境産業グループ(011・204・5320)へ。