こつこつ“マメ”に仲間4人と楽しく、上美生種文字会 まちマイ芽室編
額縁の中に描かれた力強い筆文字。書道の「はね」や「かすれ」を表現するのは墨汁や絵の具ではなく、豆や草花の種だ。「上美生種文字会」を主宰する元農家の高野郁雄さん(85)が手法を考案し、仲間と一緒に作品作りを続けている。
15年前に金婚式を迎えた両親に「まめ(忠実)で健康に」という思いを込めて、黒大豆と小豆の種を用いて「祝50年」の種文字を贈った。作品が話題となり、近所の友人に声を掛けて同会が発足した。
下書きした文字に沿って木工用接着剤を塗り、種を敷き詰める。土台は紙ばかりではなく、レコードや貝殻などを利用することも。額縁もそれに合わせて自分で作る。
現在の会員は4人。金井勤さん(84)は「カレンダーの文字や新聞記事の中から、作品に使用する言葉のヒントを探している」という。金井さんは夫婦そろって会員で、妻ツヤ子さん(80)も「お弁当を持ち寄って、おしゃべりをしながら作品を作るとアイデアや刺激をもらえる」と楽しんでいる。
毎年11月に町中央公民館で開催される文化展のほか、芽室駅や上美生の移動公民館などで年に数回、展示会を行っている。高野さんは「ただ作るだけでも楽しいけれど、やっぱり人に見てもらいたいよね」と白い歯をのぞかせた。(河崎真以子)
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