天国の加藤先生に届く歌声を 7月に帯三条OB・OG追悼演奏会
昨年6月に亡くなった元帯広三条高校合唱部顧問の故加藤靜一さん(享年72)の一周忌に合わせ、同部の卒業生たちが今年7月に追悼演奏会を開く。10日に市内で発会式と初練習が行われ、集まった教え子たちは「天国の先生に届くようなステージを」と本番に向けて気持ちを共有した。
追悼演奏会は同部OGによる女声合唱団「ヴォワ デ フルール」(高橋亜香代表)が中心となり企画した。同合唱団はより多くの参加を募ろうと、第20回定期演奏会(1992年)以降、活動を休止していた同部OB・OGでつくる「三条混声合唱団」(小谷純生代表)と協議し、合同で開催する運びとなった。
加藤さんが67年から2002年までの35年間、同部顧問として指導した生徒は573人に上る。卒業生名簿が不完全なこともあって周知は難航したが、両団体の懸命な声掛けにより現時点で全国各地から64人が参加する予定。10日の帯広市民文化ホール・リハーサル室で行われた発会式には主に十勝管内からの約30人が駆けつけた。
練習では「ヴォワ-」の樽見真紀さんが指揮、高橋代表がピアノ伴奏を務め、本番で披露する混声合唱組曲「水のいのち」を合唱。数十年ぶりに歌う参加者もいたが、声を出すにつれて感覚を取り戻し、生き生きと歌声を響かせた。
練習後、高橋代表は「合唱にまとまりがあった。加藤先生の教え子たちによる歌だと伝わるような演奏会にしたい」と話し、小谷代表は「連絡の取れないOB・OGも多い。今後も参加を呼び掛け、三条合唱部が掲げる『音の和と心の和』の完成形となれば」と意気込んでいる。
次回以降の練習は月2回程度、帯広広陽小学校の音楽室で行う他、合唱曲の入ったCDを配布し、個人でも練習できるようにする。
追悼演奏会は7月3日午後7時から帯広市民文化ホール・小ホールで行う。3部構成で「水のいのち」や加藤さんとの思い出が深い曲の数々を披露する予定。入場料は未定。
演奏会に関する問い合わせは高橋代表(0155・35・2771)、小谷代表(0155・37・6302)へ。(高津祐也)