サイロを貯蔵庫にリフォーム 飯島士幌町議がジュース作りに挑戦
【士幌】飯島農場(町下居辺基線135)の飯島勝さん(67)=町議会議員=が、使わなくなったタワーサイロをリフォームし、リンゴとナシを保存できる貯蔵庫を完成させた。サイロ内の平均気温の低さを生かした画期的な試みで、飯島さんは「低温貯蔵によるおいしいジュースができそう」と期待している。
飯島さんは町下居辺地区の地域活性化を図る「下居辺地区里づくり推進委員会」の委員長を担当。同会では2000年から町有地を借り受けて下居辺果樹園を管理運営し、果物の栽培などに取り組んでいる。
収穫後は自宅の室内で常温保存していたが、昨年はほとんどが腐ってしまった上、収穫期の異なるリンゴとナシを一度に保存できる場所の確保が課題となっていた。そこで遊休施設になっていたサイロに目を付け、「夏場でも中が涼しい特徴を生かし、貯蔵施設に再利用できないか」と考案した。
10月中旬に上部をパイプで固定し、その上から断熱マット入りのブルーシート2枚とポリエチレンシートをかぶせる作業に取り掛かり、最低気温を10度以下に保つ貯蔵庫を仕上げた。
高さは18メートル以内であれば自由に調節でき、サイロ内の温度も外部センサーで徹底管理。現在は王林やつがるなど5品種のリンゴと「千両梨」の合わせて200キロをビニール袋に入れて保存している。11月中旬以降、リンゴとナシのミックスジュースを町民に試作品として試飲してもらう予定だ。飯島さんは「冷凍機の設置も検討中で、今後も試行錯誤を重ねながらジュースの商品化を目指したい」と意気込んでいる。(小縣大輝)