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INAC神戸逆転負け、なでしこリーグ帯広で開催

前半40分すぎ、力強いシュートを放つ高瀬愛実(左)。ゴールバーに阻まれ惜しくもゴールはならなかった

 サッカー女子のプレナスなでしこリーグエキサイティングシリーズ上位リーグ第2節「INAC神戸レオネッサ対ジェフユナイテッド市原・千葉レディース」(日本サッカー協会など主催、帯広市文化スポーツ振興財団など共催)が7日、帯広の森陸上競技場で行われた。神戸が3-4で逆転負けした。神戸は北見市出身の高瀬愛実主将と、日本代表のエース川澄奈穂美がそれぞれ1得点し、帯広で初のプレーとなった澤穂希も冷静な読みで何本もパスカットに成功するなど見せ場をつくった。試合終了前に1点を返すなど粘りを見せたが一歩及ばなかった。神戸は1敗1分けで、市原・千葉は1勝1敗。(北雅貴、金野和彦)


【時事】
◇第2節
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 4(1-1 3-2)3 INAC神戸レオネッサ

▽得点
【ジ】
(1)菅澤(前半29分)
(2)深澤(後半8分)
(3)川村(同23分)
(4)瀬戸口(同25分)
【I】
(1)高瀬(前半6分)
(2)川澄(後半11分)
(3)増矢(同43分)
▽シュート数
【ジ】8(4、4)
【I】14(5、9)


▽上位リーグ
岡山湯郷(10) 1-1 新潟(5)
浦和(8)3-0日テレ(6)
▽下位リーグ
埼玉(12) 3-0 吉備国際大(0)
【時事】

懐かしの地で存在感 北見出身高瀬
 「芝とか、周囲の緑の匂いなど変わっていない。懐かしい気持ちになった」。エースストライカーの高瀬愛実主将が5年ぶりの帯広の地で、何度もゴールに迫り存在感を見せつけた。

 中学校では、全十勝女子リーグに参戦する釧路リベラルティに所属。シーズン中はほぼ毎週のように十勝を訪れていた。父や姉、恩師、帯広を含む昔の仲間たちも見守る中、観客からもひときわ大きな拍手を浴びた。前半6分に「走っている所に、素晴らしいボールが来た」と川澄奈穂美のパスを受けて、さらにドリブルで突進。冷静に日本代表GKの山根恵里奈の動きを見てシュートを決めた。

 2ゴールを挙げた前節の浦和レッドダイヤモンズレディース戦に続き2試合連続弾に、「うれしくて今年一番のガッツポーズ」も飛び出した。

 同40分すぎには強烈な右足シュート。バーに当たってゴールはならなかったが、パワーで観客をどよめかせた。後半43分にも力強いシュートを放ち、相手GKがはじいたところを増矢理花が蹴り込んで1点差に追い上げた。「個人としては成長した姿を見せられたと思う」

 来年はワールドカップもある。「前回は出場時間が少なく悔しい思いもした。自分は日本代表でふるいにかけられる立場。(今月15日から始まる)アジア大会で結果を残したい」と気を引き締めた上で、その後に再開されるエキサイティングシリーズの残りの試合での勝利も誓った。

復帰初戦で耀き見せる 川澄
 米国のシアトル・レインから復帰初戦となった川澄奈穂美が1ゴール、1アシストと輝きを見せた。

 先制点は川澄が起点となった。自陣からドリブルを仕掛け相手DFを翻弄(ほんろう)。高瀬愛実への絶妙なスルーパスでゴールを演出した。1点を追う後半11分には中島依美のフリーキックに、ゴール前で懸命に足を伸ばし同点ゴール。帰国して約1週間。時差ぼけもほぼ解消しており、「観客(の応援)も温かく、ピッチも気候もやりやすかった。個人としてはいつも通りのパフォーマンスができた」と振り返った。

 もっとも、1点差の敗戦に「戦える選手とできない選手がはっきりしている。本人たちは気付いているのか。練習から言っていかないといけない」と危機感をあらわにした。

チャンスあった
1ゴール2アシストのジェフユナイテッド市原・千葉レディースの菅澤優衣香の話

 シュートチャンスがあったのでもっと自分で得点したかったが、チームのみんながセカンドボールを決めてくれた。今後も一丸となって最後の最後まで戦い抜きたい。

エスコートに心臓ばくばく とかちなでしこ
 選手と一緒に手をつないで入場するエスコート役を、とかちFCなでしこの小学4~6年生の女子22人が務めた。

 大勢の観客に見守られる中、堂々と胸を張って行進した。高瀬主将と一緒だった廣瀬結菜さん(大樹小6年)は「初めてだったので不安で心臓がばくばくしたが楽しかった。高瀬選手はテレビで見るよりも格好良く大きかった」と笑顔を見せた。澤とピッチに入った柴田和希さん(西小4年)も「澤さんが優しく声を掛けてくれたのでほっとした。良い思い出になる」と話していた。

好プレーに大きな声援
 十勝では2年ぶりのなでしこリーグの開催に、好プレーに大きな歓声が上がるなど観客席も盛り上がった。

 スタンド席や芝生席、ピッチ近くに特設されたエキサイティングシートはほぼいっぱいに。音更町の主婦、和田明美さんは「なでしこの試合は初めて。応援の雰囲気など熱気がじかに分かり、観戦の醍醐味(だいごみ)を感じた」と喜んだ。

 両チームとも負けられない試合は、1点を争う白熱した展開に。中体連や女子チームのFC帯広リトルガールズでプレーする須藤美咲さん(下音更中2年)は「川澄さんのドリブルに驚いた。思い通りの場所にボールを運んでいた。高瀬さんも当たり負けしてなくてすごかった」と感心していた。


◆なでしこリーグ「エキサイティングシリーズ第2節」についてについて
大会結果一覧-日本女子サッカーリーグホームページ
09/07(日) I神戸‐ジェフL 公式記録(PDFファイル)-日本女子サッカーリーグホームページ

関連写真

  • 前半30分ごろ、華麗なドリブルで攻め上がりチャンスをつくるINAC神戸の(9)川澄奈穂美(左から2人目)

    前半30分ごろ、華麗なドリブルで攻め上がりチャンスをつくるINAC神戸の(9)川澄奈穂美(左から2人目)

  • 憧れの選手たちと手をつないで入場する、とかちFCなでしこの小学生たち

    憧れの選手たちと手をつないで入場する、とかちFCなでしこの小学生たち

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