帯工高生 小・中校などで測量や整備ボランティア活躍
帯広工業高校(福井誠校長、生徒477人)の環境土木科の生徒が、学校や幼稚園、保育所(園)で、グラウンド整備や白線引きなどのボランティアに励んでいる。測量など実習で得た技能を地域還元することが狙いで、運動会前のこの時期は“繁忙期”だ。生徒にとっては貴重な実践の場で、子供たちも高校生との触れ合いの機会となるなど新たな効果も出ている。
同校は建築科が木製品を手作りして、学校や保育所に寄贈するなど、工業高校の特性を生かした地域貢献を続けている。環境土木科も2009年度から、出張での技術奉仕を開始。毎年度、同校周辺の市内と一部幕別町内の保育所、幼稚園、小・中学校など約60カ所に案内状を送り、希望する施設に出向いている。
メニューはグラウンド整備、スケートリンク造成の他、環境調査にも応じる。ライン引きは徒競走用の距離も測量し、うねりがちなコーナーも丁寧に仕上げる。コート整備は野球やサッカーをはじめ、バスケットボールなど室内競技にも対応。こうした“技”が好評で、リピーターも多く、年間30カ所から引き合いがある。
稲田小学校(斉藤昌之校長、児童667人)は、毎年グラウンド整備を依頼しているが、今年度は職業観を育てるキャリア教育の一環で、児童も作業を体験した。15日、6年生108人が同科測量班の3年生7人の指導を受け、100メートル走の白線引きや、等間隔にピンを打ち整列する位置を設定。児童は測量機をのぞき込み、工業高校で習う技術の一端に触れた。
稲田小の堀颯太君は「運動会で(グラウンドを)使うので緊張したが、高校生は優しくて安心した」とにっこり。同班で帯工高野球部の牧野翔太郎君は「試合と重なって参加できない日もあったが、子供たちと一緒は楽しい」と話した。帯広工業高校は「一度依頼すると勝手が分かるのか、件数は増えている。生徒たちにとっては就職前の実践になる貴重な機会なので、続けていきたい」としている。(原山知寿子)
◆帯広工業高校について
・北海道帯広工業高等学校-公式ホームページ
◆帯広工業高校のボランティア活動
・多目的ひな壇プレゼント 帯工高生が豊成保育所に-十勝毎日新聞電子版(2014/01/23)
・高校生、園児と交流 帯工業の出前授業-十勝毎日新聞電子版(2013/06/13)
・ユニーク授業!帯稲田小で工業高校出前授業-十勝毎日新聞電子版(2010/11/19)
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・小・中校などで測量や整備ボランティア活躍 帯工高-かちまいフォトサービス