日本語能力試験「N2」合格 大樹のアシュリーさん
【大樹】国際交流基金と日本国際教育支援協会が主催する日本語能力試験で、町教委のAET(英語指導助手)、アシュリー・マクビーさん(24)が、上から2番目のレベルの「N2」に合格した。日本語ならではの同音異義語・異字やニュアンスなどを頭にたたき込んで3カ月。難関突破を約束した、大樹中学校の生徒や教諭に支えられての有言実行となった。
同試験は1984年に始まった。2011年には世界62の国・地域から61万人が受験するなど、世界最大規模の日本語試験となっている。主催者によると、5つのレベルの中で上から2番目のN2は、「日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度、理解することができること」を指す。「ビジネスレベルの日本語を読み書きできるとも言える」(アシュリーさん)という。
漫画翻訳家になることが夢のアシュリーさんは「日本語を詳しく学びたい」と一念発起。大樹中の生徒たちに合格を誓い、昨年10~12月に猛勉強した。「日本語ならではの微妙なニュアンスや漢字が、どうしても苦手」で頭を抱えていたとき、助けてくれたのは教え子だった。「実際の会話の中で『とても』『めっきり』などの意味合いの違いを伝えてくれ、理解が深まった」と振り返る。
同校で国語を受け持つ船戸真也教諭には、漢字の成り立ちなどを教わった。質問攻めにしたが、「快く英語で答えてくれた」という。船戸教諭は「一生懸命に勉強する人を何とかしてあげたかった」とし、杉本聡校長も「難題にチャレンジして、しっかり結果を残した。その行動そのものが『先生』」と話す。
アシュリーさんは米国オクラホマ州出身で2012年に来町。「来年度は最高レベルの『N1』に挑戦するつもり」と、日本語習得へ意欲は尽きない。(関根弘貴)