中美生に新加工場建設へ 芽室・九神ファームが事業拡大
【芽室】障害者が勤務し、農産物の生産・加工を行っている「九神(きゅうじん)ファームめむろ」(町渋山、藤田敏子社長)は、2015年春にも新たな加工場を建設し、事業の拡大を目指す。建設地は町中美生にある研修施設「めむおろ荘」跡を予定。町が同施設の所有法人から土地と建物の寄付を受け、建物を解体した上で、跡地を同ファームに無償貸与する方針。同ファームはこれに合わせ、特別支援学校の修学旅行生受け入れなど観光事業の取り組みも計画している。
九神ファームは、障害者と最低賃金の保証がある雇用契約を結ぶ「就労継続支援A型事業所」として昨年4月に開設。現在は知的障害や発達障害のある9人が勤務。中美生にある同ファームの農場でジャガイモなどを生産し、町渋山の現・加工場で皮むきやカット、蒸しなどの加工を行っている。
めむおろ荘は財団法人大阪青少年育友会(高槻市)が1977年に建設した研修施設で、同法人が解散するため、町に土地・建物の寄付が打診されていた。町はこれを受け入れ、建物を解体後、跡地を同ファームに無償貸与する方針を17日の町議会総務常任委員会で説明している。町は新嵐山の観光促進や障害者雇用につながるとして、約590万円と見込まれる解体費用を新年度予算に計上する予定だ。
同ファームは、同所への加工場新設で加工事業を拡大。現在の受け入れ定員10人を30人規模にすることを目指している。
また、新たに、障害者の就労支援や農業のノウハウを活用、全国から特別支援学校の修学旅行生を受け入れ、同じ中美生地区にある国民宿舎新嵐山荘に宿泊しながら、同農場での農作業体験や加工体験を行うなどの事業も計画している。試験的な取り組みとして、6月には中札内高等養護学校幕別分校の宿泊研修を受け入れる予定という。
同ファームは「詳細な事業計画や新しい加工場の規模、総事業費などの具体的検討は今後、出資企業と共に詰めていきたい」としている。(大谷健人)