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店内に大正時代のひな人形 本別・鹿間呉服店

店内に飾られた大正時代のひな人形と小林和子さん(左)、小林社長

 【本別】町北2の鹿間呉服店(小林信雄社長)の店内に、大正時代のひな人形が飾られ、来店客の目を引いている。小林社長の義母鹿間キミ子さんの形見の七段飾り。気品ある顔立ちに美しい装束の華やかな人形が評判となっている。

 人形は、内裏びなから三人官女、五人囃子(ばやし)、牛車やたんすまでそろう七段飾り。びょうぶには松と梅、鶴が描かれ、漆塗りのたんすは引き出しの一つひとつまで精巧に作られている。購入してから90年近くたつが、大切に管理してきたおかげで傷みも少ない。

 鹿間さんは1924(大正13)年、上川管内上富良野町の呉服店に生まれた。ひな人形は、両親か祖父母が取引のあった東京の店で購入したとみられ、人形と一緒に保管していた送り状には「大正14年」の年号が記されている。

 本別に嫁いだ後は妹2人が所有していたが、処分する話が出たことから長女で小林社長の妻和子さん(65)が引き取り、2011年に鹿間さんの下に戻った。鹿間さんはその翌年に他界。和子さんは「母は『ひな人形は実家の座敷に飾っていた』と覚えていた。最後に見せてあげられて良かった」と話す。

 同店では毎年2月第1週から3月3日まで、呉服を「座売り」していた店の奥の座敷に飾っている。隣には1956年製で半世紀以上の歴史がある、和子さんのひな人形七段飾りも一緒に並べている。

 来店客も人形の年代や華やかさに驚く人が多い。本別は太平洋戦争の空襲で市街地の3割が焼失しているだけに、町内の女性(60)は「本別ではなかなか見られない立派な人形」と感心しながら眺めていた。和子さんは「お人形さんも多くの人に見てもらった方が喜ぶはず。商売とは関係なく店に見に来てほしい」と話している。(安田義教)

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  • 店内に大正時代のひな人形 本別、鹿間呉服店  2

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