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「銀の匙効果」映画化で加速

映画化も追い風に、帯広市内の書店では特別コーナーも設けて「銀の匙」をPR(宮脇書店帯広店)

 来春の実写映画化に向けて管内でロケが行われている人気漫画「銀の匙(さじ)Silver Spoon」が、物語の舞台である“地元”十勝で改めて盛り上がりを見せている。特別コーナーを設ける帯広市内の書店では原作本の売れ行きが好調で、物語に登場する“名所”では問い合わせも増加中。TVアニメ化もされた同漫画を通じ、十勝の地名度向上や観光PRにもつながると関係者は期待している。

 宮脇書店帯広店(西8南17)は7月から、レジ近くの目立つ場所に特設コーナーを展開。原作漫画の横に物語に登場する家畜や農業高校に見立てた紙装飾を施し、作者・荒川弘さんの直筆サインも掲げている。

 最新刊の8巻は発売1カ月半で、同店の漫画本としては異例の400冊以上の売れ行き。普段、漫画を手にしない年配客もおり、同店は「映画化の期待は大きい。映画関連の素材がそろえば、もっと売り場を工夫したい」(岡田美緒主任)とする。

 帯広喜久屋書店/ザ・本屋さん(西4南12、長崎屋帯広店内)も常設コーナーを充実。主人公・八軒勇吾役を映画で演じる中島健人さんが所属する、ジャニーズ事務所の人気アイドルグループ「Sexy Zone」の写真集と銀の匙の公式ガイドブックを合わせて陳列している。「新規客から問い合わせもある。地元のPRを書籍販売から底上げしたい」(山本恒平店長)という。

 一方、物語に登場する帯広競馬場内のとかちむらでは、アニメ化のキャラクターをあしらったうちわ(300円、帯広観光コンベンション協会=大友俊雄会長=企画)を、ポスターなどで飾りつけた特設コーナーで13日から100個限定で販売。映画化の追い風もあり、約5日で完売する人気ぶりで、200個を追加入荷した。

 とかちむらは、お盆明けのこの時期の平日は入客が落ち着くが、今年は親子連れなどが継続して訪れている。撮影場所の問い合わせもあり、「7月のアニメ化や映画化決定後の盛り上がりをひしひしと感じる。関連グッズの考案など、今後さらなるPRを検討したい」(山中大輔村長)としている。

 帯広市にはロケのエキストラ募集やロケ場所に関する問い合わせが、電話やメールで数件寄せられている。森川芳浩観光課長は「舞台の“聖地”巡りが広がれば。マップの作製やピザ作りなど、漫画観光メニューの紹介も考えたい」と話している。(山岡瑠美子) 

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