北電と上川大雪酒造 京極発電所のトンネルで1年熟成させた碧雲蔵の日本酒2種を発売
【札幌】北海道電力(札幌市)と上川大雪酒造(上川管内上川町)は、北電が所有する京極水力発電所(後志管内京極町)のトンネル内で1年間熟成させた日本酒を22日から販売する。販売するのは、同酒造が帯広畜産大学の酒蔵「碧雲(へきうん)蔵」で醸造している「特別純米 十勝」(720ミリリットル、3080円)と「純米吟醸 京極貯蔵」(同、3960円)の2種。
トンネル内は年間を通じて温度や湿度が安定し、紫外線も遮断されるため、日本酒熟成に適しているという。両社は道産酒米を使用した日本酒の知名度向上と消費拡大、地域活性化を目指す実証事業として、平均温度8度の同発電所のトンネル内で昨年10月から今年9月まで日本酒数種類を貯蔵・熟成してきた。
同酒造は、帯広開発建設部帯広河川事務所が管理する札内川ダム(中札内村)など、トンネル内での貯蔵熟成はこれまでも行ってきた。トンネルの環境により、味や熟成具合が異なるといい、同酒造の川端慎治副社長は19日の報道向け発表で今回の2種について「時間の経過が感じられ、柔らかくまろやかな素晴らしいバランスになった」と語った。
北電の逢坂美保事業共創推進室長は「両社で力を合わせて北海道の自然や食、文化を生かした地域づくりをし、観光産業の発展や食の付加価値へと広げていきたい」と述べた。
熟成酒は、22、23日に同酒造の酒蔵・緑丘蔵(りょっきゅうぐら、上川町)で開かれる「蔵まつり」会場、25日から碧雲蔵や札幌市内の直売店で販売。12月中旬から北電のEC(電子商取引)サイトでも扱い、販売予定数は2種で約1250本。(安藤有紀)










