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農に向き合う~農業経営部会会員紹介「帯広・北海道コーラル」

三津田耕ニ代表取締役

1.化石化サンゴの農業資材を販売
 北海道コーラルは1997年、沖縄県与那国島で取れる化石化したサンゴを使用した商品の製造販売を行うコーラルインターナショナルの代理店として三津田耕二代表取締役が設立した。畜産用飼料「ウルカル」と土壌改良材「どなん」を主に販売している。乳牛や肉牛用の「ウルカル」はミネラル分の補給以外にも、マイコトキシン(カビ毒)を除去する働きがある。「どなん」は有機JAS規格適合資材。土壌中の微生物の育成を促進し、土を軟らかくする。利用先の生産物はタマネギやキャベツ、ワイン用のブドウなど多岐にわたる。このほか、サプリメント「DONAN」やろ過材「みなみちゃん」なども販売している。

 営業先は十勝管内の農家が中心だが、問い合わせがくればどこにでも行くという。道内以外でも島根や茨城、兵庫、徳島などの肥料会社、農協にも商品を卸している。

2.人とのつながりで販路拡大
 商品に使われている化石サンゴには74種類のミネラル成分が含まれ、三津田代表は「カルシウムとミネラルのバランスも良い。世界でもまれにみる」とその良質さを語る。1996年に友人経由で初めてその存在を知ると、翌年には28年間働いてきた勤務先を退職。大学への調査依頼、専門家への聞き取りなどで知識を深め、農家に実際に使ってもらい信頼を得ることで徐々に顧客を増やしていった。

 人とのつながりを重要視し、「社員とお客さん、どちらとも同じ目線に立つことが大切」と話す。営業では「分からないことは分からない」と正直に言い、具体的な事例を紹介することでその良さを訴える。社員にもその考えを徹底させると同時に、細かい手法は押し付けず、一緒に考える。「いいものなら、黙っていても売れる」と化石サンゴへの自信をのぞかせる。

3.同友会通じて多くの出会い
 同友会へは2013年に入会した。当時、同友会で会員増強の担当をしていた今野勉さんに強く勧められてのもので、「今野さんがいろいろな人のところに連れていってくれた」と多くの出会いを経験した当時を振り返る。管外の顧客に自身で商品を届けに行くため十勝を離れることが少なくない三津田代表だが、現在も空いた時間を見つけては参加している。

4.小さな農家の役に立ちたい
 会社を設立して23年目。化石サンゴを使った商品は業界紙で取り上げられ、「DONAN」はプロサッカー選手も摂取する食品の一つとして本に記載されるなど、徐々に認められてきた実感があるという。これからも多くの人に利用してもらうために、「何事にも正直で、努力を惜しまない営業」を誓う。

 今後目指していくのは、農家と連携し、自社商品を使用して作られた農作物のブランド化。さらにその作物が加工されて流通する将来も見据え、加工会社との連携も模索している。「小さな農家の役に立ちたい。使って良かったという声が聞ければ一番」と根底にある信念を話している。


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