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農に向き合う~農業経営部会会員紹介「帯広・ズコーシャ」

榎本吉典営業部次長

1.可変施肥で農業に貢献
 農業現場の労働力不足は十勝でも大きな課題になっている。その負担を解消するために注目を集める技術の一つが、作物の生育状況に応じて肥料の量を変える「可変施肥(かへんせひ)」。営業部次長としてこの技術の普及拡大に力を入れている。

 肥料を与えるタイミングや量は農家の経験による部分が大きいが、システムを使うことで、例えば経験が少ない従業員やアルバイトでも作業ができるようになる。榎本氏は「農業現場の雇用不足に柔軟に対応できるようになる」とその効果を話す。7月に帯広市内で開かれた国際農機展でも商品をPR。ICT農業の進化と農業現場の課題を背景に、農家の関心の高さを感じた。

2.農業分野にも注力
 同社に入る前は、東京の大手家電メーカーにシステムエンジニアとして勤務。業務用コンピューターの通信ネットワーク開発などを担当した。2000年に同社に転職した後は、地理情報システムの開発などに携わった。可変施肥システムには畑の位置を知らせる地理情報は欠かせない。この経験が今の担当につながっている。「農業の『の』の字も知らなかった。こんなに深くかかわるとは思わなかった」。営業部門では一般土木関係の業務が多いものの、同友会農業経営部会で人脈や知識を広げており農業分野にも注力している。

3.同友会は学びの場
 会員だった上司の誘いで農業経営部会の集まりに参加したのをきっかけに同友会に入会。可変施肥システムなど自社のサービスを会員農家にアピールできる機会になると期待したが、部会の雰囲気や会員の意識の高さに触れて考えは一変。「ここは経営者が学ぶ場。会員が自ら学ぶ目的で運営されている」とし、自分も同じ目線、同じ意識で参加することを心掛けた。

 部会活動に積極的にかかわる中で、先進的な農業者に触れて話を聞く場が増えた。「農業経営者がどんな課題を持ち、どう克服していこうとしているのか。考えを知ることができた」とし、現場のニーズを知ることで営業活動にもつながっている。

4.十勝農業の「名脇役」に
 総合コンサルタント業の中で、同社が柱にするのが「農業」「環境」「まちづくり」の3つ。榎本氏は「十勝に存在する会社として、基幹産業の農業の縁の下の力持ちになりたい。ズコーシャが持つ専門技術をどう生かして、貢献できるかを考えていきたい」と語る。目指すのは農業と地域の発展。「主役ではなく脇役。ただ名脇役になりたい」と力を込める。


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