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農に向き合う~農業経営部会会員紹介「本別・前田農産食品」

前田茂雄代表

1.開拓4代目、「食品」に注力
 岡山県から入植した前田金四郎氏のくわを継ぎ、2019年には開墾120年を迎える。2代目の美次氏が「前田農産食品」を起こし、でんぷん工場を操業を開始。3代目の芳雄氏は主に「農産」の分野で規模を拡大し、4代目で現農場主の茂雄氏は「食品」にも力を入れる。

 現在は小麦、ビート、トウモロコシ、ヒマワリが主要生産物で 、耕作面積は120㌶に上る。「本別町は気候にも土にも恵まれ、何かに挑戦する土壌が整っている地域」と茂雄氏。新たな作物や新事業進出のDNAを引き継ぐ。

2.研究重ねポップコーン商品化
 茂雄氏が目指すのは「自分らしい農業」「ストーリー性のある農業」。農業は「冬」と「雨風」に弱いが、「付加価値創造期間」でもあると考える。

 それが生きたのがポップコーン加工。「冬の農業をどうしようかコンバインの説明書を見ていたら、たまたまポップコーンの文字が目に入った」。すぐに爆裂種トウモロコシの栽培に着手し、米国視察など研究を重ねて、自社加工による商品化にこぎ付けた。栽培から5年目の17年には25万個を出荷、道加工食品コンクールで知事賞を受けた。

3.多様性ある同友会
 同友会の農業経営部会には31歳のとき誘われて入会し、35歳ごろから本格的にかかわった。「情報を発信でき、情報が手に入る。一番の魅力は『多様性』があること」と語る。さまざまな地域性、作物・品種、人、考え方などに触れることで、自身の環境を客観的に見ることができるという。17年から部会長を務める。「農業経営を勉強したい人の集まり。その意味で自分にも他人にも役に立つ組織です」とアピールする。

4.ひまわり迷路復活へ
 農業経営部会での活動や「付加価値創造期間」を通してアイデアを膨らませ、「自分らしい農業」を目指す。19年夏には本別町内で「ひまわり迷路」を計画。過去に芳雄氏がけん引した「とうもろこし3万坪迷路」、昨年で中止になった「ひまわり3千坪迷路」を引き継ぐ。「どの市町村も人口減少に苦しんでいる。少しでも地域の活性化に貢献したい」と、自社の経営だけでなくふるさとの発展に目を向ける。「終わったヒマワリは種を加工し、パン業者に卸したい」と笑う。


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