TRAD30周年 時代に合わせ事業拡大【先読み新年号】
金澤宗一郎社長(43)
社名のTRAD(トラッド)は、十勝(Tokachi)、不動産(Real estate)、建築(Architecture)、開発・造成(Developers)の頭文字をつなげたもの。伝統(Traditional)を創造するという思いを込め、地域の環境づくりを意識した不動産業として成長してきた。
同社は、郊外型の宅地開発などを目指す管内住宅メーカー22社で組織した十勝土地開発研究会の出資、協力を受け十勝土地建物開発協会株式会社として現会長の金澤耿氏(76)が1994年に設立。
95年に池田町の依頼で、旧国鉄用地を造成した「池田町ゆとり野」(74区画)の分譲を皮切りに、幕別町札内千住ニュータウン(457区画)の企画、コンサルティング、販売業務を受託するなど各地で宅地開発に携わってきた。
注文住宅の建築など事業の幅を広げてきたが、宅地造成に適した土地の減少もあり、近年は帯広中心街に所有する3棟のオフィスビルやマンションなどの不動産賃貸、仲介業にシフトしてきている。
2012年には不動産仲介大手のセンチュリー21・ジャパンとフランチャイズ契約を締結。現在は帯広と札幌で多数の物件を取り扱っている。
建築資材や土地価格の高騰など不動産を取り巻く状況は常に変化しているが、金澤宗一郎社長(43)は「大手との提携で人材育成手法や営業ノウハウなどを学んできた。今後も十勝の不動産総合商社として、物件相続の相談など時代に合った取り組みを進めていく」と将来を見据えている。
TRAD30周年 金澤宗一郎社長
■沿革■
1994年 十勝土地開発研究会の出資、協力で十勝土地建物開発協会株式会社設立
95年 「池田町ゆとり野」分譲開始
2001年 分譲マンション「ユニーズ記念碑前」分譲開始
02年 「あおば十勝ビル」取得。社名を「TRAD(トラッド)株式会社」に変更
04年 TRADアーキテクツ、かちまいホームセンターにモデルハウス初出展
05年 「太洋電気大同生命ビル」を取得
08年 札幌支社開設
12年 「TRAD十勝ビル」取得、不動産仲介大手「センチュリー21」とフランチャイズ契約
■概要■
本社 帯広市大通南12ノ20(あおば十勝ビル1階)
資本金 1000万円
従業員 12人
年商 3億6000万円(23年2月期)