規格外アスパラ 無人直売 清水しぶやふぁーむ
【清水】清水町の澁谷貴法さん(54)が営む畑作農場「しぶやふぁーむ」(御影東7ノ5)が、町御影地区に開いた無人の野菜直売所が好評だ。これまで出荷できなかった規格外品のアスパラガスを取れたてで店頭に並べるなど、人件費は掛からず約1カ月間で約25万円の収入につながった。協力農場の季節の野菜を今後も販売する。
澁谷さんが新築した住宅のカーポートの一角を直売所にし、4月上旬から運営している。当初は原木栽培のシイタケや春掘りゴボウ、ニンニクの芽を販売。アスパラガスは5月から売り始めた。商品はすべて自家農場や協力農場の規格外品で、これまでは捨てたりしていたものだ。
広さ6畳ほどの店内には透明扉のコインロッカーがあり、買い物客が代金を投入すると扉が開いて野菜を取り出せる。ロッカーは保冷剤で冷やしている。アスパラガス(400~500グラム)が300円など「スーパーよりずっと安い」と澁谷さん。朝、昼に取れたての商品を置いておくと、同地区の住民がリピーターとなって買ってくれるようになった。
JA十勝清水町によると、町内の農家が小売店を営む例は珍しい。御影地区の新聞折り込み広告で開業を告知したほか、LINEの公式アカウントも立ち上げ、フェイスブックなど他のSNS(インターネット交流サイト)を通じても宣伝した。土・日曜には町外の人も買いに来るという。
協力農家は5軒に広がっており、今後はトウモロコシや枝豆、カボチャ、ブロッコリーなど季節に合わせて協力農場の規格外品も販売、各戸の新たな収入につなげる。
店舗は、国道38号沿いのセイコーマート御影店を南に入る。営業時間は午前7時~午後7時。
新事業は、2020年度に農林水産省が補正予算化した農林漁業者向けの「経営継続補助金」を活用した。新型コロナウイルス感染症の影響を克服するための、国内外の販路の回復・開拓を目指したものとして採択された。(高田英俊)
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