そうだったのか!北海道のコムギなまぐさ黒穂病
道総研 中央農業試験場 病虫部 クリーン病害虫グループ
道総研 中央農業試験場 病虫部 予察診断グループ
道総研 上川農業試験場 研究部 生産環境グループ
道総研 食品加工研究センター 応用技術部 応用技術グループ
農研機構 北海道農業研究センター 生産環境研究領域 病虫害グループ
北海道農政部 生産振興局 技術普及課
東神楽町麦作生産部会
1.成果の概要
(1 )なまぐさ黒穂病は、小麦の穂に発生する病害で、その病原菌とその特性、被害を軽減するための栽培方法(耕種的対策)を明らかにしました。
(2)なまぐさ黒穂病が発病した穂はなまぐさい臭いがするのが特徴で、その臭いの特性などを解明しました。
2.成果内容
(1)なまぐさ黒穂病に感染した小麦を詳細に観察して、症状の特徴を明らかにしました(図1)。
(2)北海道で発生しているコムギなまぐさ黒穂病の病原菌が本州における病原菌と異なることを明らかにしました(図2)。
(3)北海道で発生しているコムギなまぐさ黒穂病は土壌表面の伝染源が小麦に感染し、さらに主に積雪下で感染することを明らかにしました(図2)。
(4)播種深度が浅かったり、遅まきすると発生を助長するため、適期に適正な深さで播種することがなまぐさ黒穂病対策として重要であることを明らかにしました(図2)。
(5)なまぐさ黒穂病による臭いの原因物質を明らかにしました。
(6)なまぐさ黒穂病による臭いの強さは小麦の成熟とともに弱くなっていくこと、および地域間差や品種間差が認められないなど、臭いの特性を明らかにしました。
3.留意点
(1)北海道におけるコムギなまぐさ黒穂病対策として活用してください。
(2)この研究成果が反映された「コムギなまぐさ黒穂病Q&A」の改訂版が令和2年2月に公表されました。
(3)この研究は「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」により実施しました。
(成績名:北海道で発生するコムギなまぐさ黒穂病の特性と耕種的防除法)
本技術内容についての問い合わせ先
道総研中央農業試験場
電話(0123)89-2001
E-mail:central-agri@hro. or. jp