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「国の支援見えず不安」給食停止で業者混乱 新型肺炎

すでに仕入れたイーストなどの原材料が入った冷蔵庫と林社長

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため始まった小・中学校の一斉臨時休校は、管内の学校給食現場にも大きな影響を与えている。特に食材を納入する地域の中小事業者らは、キャンセルとなった食材の処理や休業中の業務確保などの対応に追われており、「先が見えない」「経営に関わる死活問題」との声も聞かれた。

 帯広や士幌など10市町に学校給食用のパンを納入する林製パン工場(帯広、林隆義社長)。頻度に違いはあるが、学校給食用に週平均約2万7000個を製造している。27日に帯広市教委などから納入停止の連絡があったが、パンは約4000個ほど作らざるを得なかったほか、既に一定期間まで発注済みの原材料の処理などに追われている。

 店頭販売も行っている同社だが、校内販売する高校用を含めると、売り上げの約8割を学校関係が占める。社員パートなど15人体制の工場はほぼ稼働できない状況で、従業員に対し、例年は学校の春休み中に行う機械の大規模清掃を前倒しするなどし、何とか仕事をつくっている状況だ。

 同業者らで組織する道パン・米飯協同組合の副理事長も務める林社長は「道内・全国も同じ状況。国の具体的な支援が見えず不安しかないが、まずは当座の資金調達で従業員の雇用を維持し、次の動きを考えたい」と話す。

 管内19市町村と取引がある食品卸・トォータルフーズ(帯広、香川澄子社長)でも「休校分の売り上げがなくなるので大きな痛手。各メーカーにキャンセルが可能か問い合わせている」とする。

 市内40小・中学校や農村の保育所などに対応するなど、管内で最も提供数が多い市学校給食センターでも、臨時休校の急きょ決定を受け、翌日の2月27日分は食材を廃棄したほか、食材を納入する約40社に対し、期間中の納品停止を求める連絡をした。また、休業期間中の各種対応も協議している。

 同センターは「納入業社への補償は正直、取り決めはないのが現状。現時点で求められてもいない」とする。「休校中の給食費を保護者に返すかどうかは検討中だが、返還する方向で話を進めている」という。(佐藤いづみ、高田晃太郎)

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