女子増加、寮を新整備 本別・農業大学校
「道内就農」に憧れ 5年で倍増
【本別】道立農業大学校(町西仙美里、友成公士校長)で、女子学生が増えている。新年度には学生の2割を超え、5年前に比べて倍増の27人が在籍する見込み。農家出身者でない人も目立ち、北海道の畑作酪農への憧れも背景にあるようだ。同校では、増える“農業女子”に対応するため、新たな女子寮となる「研修交流宿泊施設」を整備している。
同校は、2年間の養成課程(1学年定員60人、畜産経営と畑作園芸経営学科)のほか、研究課程(農業経営研究科)と研修部門(稲作経営専攻コース)で構成する。家畜人工授精師など多くの資格の取得環境も整っている。
農業を志す女性が年々増え、5年前に7人だった養成課程の入校生は、2014年度に9人、16年度は12人に。18年度には16人と倍増し、同課程に占める女性の割合は23%となる。ちなみに今年度の十勝出身の入校生は同課程で12人おり、すべて男性。
農家以外の「非農家」出身者も目立ち、新年度在籍予定の女性27人のうち、18人がこれに当たる。男性を含めると、およそ学生の4割が非農家で、本州から門をたたく人も多い。
同校教務部の山川直樹係長は「昔は農業後継者が大半、そのほとんどは男性。女性活躍の時代でもあり、広い土地、畑作酪農を学ぶなら北海道ということでしょう」と説明する。
高校卒業後、東京から入校した畜産経営学科1年の中村美久さん(19)は非農家の出身。「動物好きが高じ、その関係の仕事に就きたいと、広い北海道が目に留まった」とし、この1年は「新たな発見ばかり。牛になじみ、機械にも触れ、充実している」と話す。
同校は現在、増える女子学生に対応するため、約3億円の予算で女子寮を整備中。19部屋の現行施設につないで新たに増築(木造平屋)し、新旧施設合わせて計30部屋に増やす。3月下旬の完成予定。教育面では、新規農業参入者向けのカリキュラムを強化し、就農などへの早めの進路ガイダンスを実践している。(木村仁根)