断水 取水口掘り出し難航
清水3000戸 町民「いつまで」
【清水】町内では市街地全域と人舞、下佐幌の約3000戸で断水が続き、水道復旧のめどが立たない状況が続いている。取水口が土砂で埋まり、取水していた川の流れが大きく変わったためだ。住民は先の見えない状況に困惑しながら、町内5カ所の給水所に足を運んでいる。
取水口は清水と羽帯の境を流れる小林川にあるが、増水した川は近くの牧場の牛舎を流すなど川岸を浸食しながら、約100メートル北側に流れを変えた。町は1日から川の流れを戻し、取水口を掘り出す作業を進めているが、「川の水が減らない上に、変わった川の流れが大きく難航している」(町水道課)という。
給水所を訪れる町民の表情は複雑だ。計50リットルの水を給水車から重たそうに運んでいた女性(75)は息子たちと3人暮らし。「洗濯は多くの水を使うので我慢してきたが2日で限界。芽室のコインランドリーに行ければ」と話す。
会社員の女性(36)は洗顔や歯磨きに使った水をバケツにためて、トイレ用に使用するなどの工夫も。「昼間は会社で済ますことができるが、朝と夜はトイレができないと困る。なるべく給水所に来る回数を減らしたい」と話した。
町民の間には「3日くらいで復旧する」「1カ月以上かかる」など臆測による情報が広がっており、田口洋さん(80)は「町には早く具体的な断水期間を明らかにしてほしい」と求めていた。(深津慶太)
新得、大樹も計5000戸超 復旧まで最大1カ月
断水は、管内では清水町とともに、新得町と大樹町でも続いている。
新得は川の取水施設が流出する甚大な被害が出た他、新得小北側と神社橋の水道管が破損したことで断水した。2日午前も2636戸で断水し、5290人に影響が出ている。復旧のめどは立たず、町総務課は「最大4週間はかかるかもしれない」としている。
町は町内5カ所に給水場所を設置。断水で入浴できない新得と清水町民を対象に2日から、町屈足地区の「くったり温泉レイク・イン」を無料開放した。時間は正午~午後10時。
鹿追町も1日から、新得、清水、鹿追、芽室の被災者を対象に、「町トリムセンター」で無料入浴を始めている。時間は午後4時~同10時。
また「サホロリゾートホテル」(新得)は新得町民を対象に、通常料金より安い大人500円、中学生以下300円で入浴できる。時間は午後2時~同6時。
大樹は町内全域の約2700戸で断水している。ヌビナイ川の氾濫で決壊したヌビナイ橋の水道管(送水本管)が流された他、大雨で川の水が濁り、浄水場の処理能力を超えたのが原因。町は復旧作業を進め、2日早朝に水道管接続が完了した。現在、管の内側にたまった泥などを除去しており、早期の給水再開を目指している。
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