両陛下笑顔で十勝入り 沿道からお祝いの声 広尾・大樹 生涯学習センターなど訪問
【広尾・大樹】ご来道中の天皇、皇后両陛下は9日、十勝入りされ、大樹町生涯学習センターなどを訪問した。天皇陛下のご来勝は皇太子殿下時代の1958年以来48年ぶり、天皇になられてからは初めてとあって、広尾町豊似の国道236号の沿道や同センター周辺では大勢の町民らが日の丸の小旗を振って奉迎した。6日には秋篠宮妃紀子さまが皇室では41年ぶりとなる男子を出産され、お祝いの歓声が上がる中、両陛下はにこやかに手を振って応えられた。(児玉匡史、松村智裕、道下恵次)
国際顕微鏡学会議にご出席のため、5日から道内を訪れている両陛下は9日、日高管内浦河町から十勝入りされた。広尾町豊似の沿道には、両陛下のご来勝を待つ大勢の町民らが詰め掛けた。
午後0時20分、車列が見えると一斉に小旗が振られ、「おめでとうございます」と、親王誕生を祝う多くの声が沿道から上がった。両陛下は専用車の窓を開けて、穏やかな笑顔で手を振られた。
小旗を振る町民らの列は長く続き、国道沿いはどこも両陛下のご訪問と男子誕生の二重の喜びで奉祝ムード一色に。両陛下をお迎えした広尾町の主婦平本美和子さん(68)は「天皇陛下はにこにこされていたし、皇后陛下も美しくて感動した。こんな経験は初めて」と笑顔で語り、豊似市街町内会長の桜井紀男さん(66)も「両陛下がこの地域に来られ、とても喜ばしい」と話していた。
ご会食会場となった大樹町生涯学習センターには午後0時45分に到着し、伏見悦夫町長ら町関係者が迎えた。同町では8月、「北海道行幸啓大樹町歓迎本部」(本部長・伏見町長)を設置、町職員77人態勢で両陛下の接遇準備などを進めてきた。国道236号沿いの町石坂から同センターまでの計15カ所には警備班を配置。小旗計2000本を奉迎者に配り、大勢の町民らが旗を手にセンター周辺を埋めた。
同センターでは、町多目的航空公園の空撮写真などのパネルを展示、航空宇宙への取り組みを紹介。両陛下は興味深そうに展示をご覧になった。
両陛下は更別村のJAさらべつや畑作の山角農場(更別南4線、山角稔さん経営)を訪れ、農作物の生育状況などをご視察後、とかち帯広空港から離勝。天皇陛下は皇太子殿下時代の58年6月、帯広と士幌、上士幌、音更、芽室、新得の6市町を視察している。
両陛下そろってのご来勝は、昭和天皇、皇后さまの54年8月以来52年ぶり。