宇宙旅行2012年開始目指す HASTICと米ロケット会社 業務提携を発表
【札幌】小型ロケットや人工衛星を手掛けるNPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(札幌市、HASTIC)は23日、米国の宇宙ベンチャー企業、ロケットプレーン・キスラー(RpK)社と、日本での宇宙旅行推進などに関し業務提携したと発表した。法整備を働き掛け、2012年の飛行開始を目指す。HASTICは、宇宙飛行機の離着陸拠点として大樹町を想定しており、業務提携で宇宙基地十勝の夢が一歩前進する。
RpK社は、飛行機のように水平に離着陸し、機体を再使用できる「スペースプレーン」と呼ばれる宇宙飛行機を開発中で08年に米国で試験飛行を開始し、日本での宇宙ビジネスの事業化にも意向を示している。
業務提携は(1)HASTICは、スペースプレーンを利用した無重力実験の機会を08年から日本の研究者へ提供する(2)スペースプレーンを利用した小型人工衛星の打ち上げシステムを共同開発する(3)HASTICは、商業宇宙飛行の日本導入推進計画に協力する−を内容としている。
HASTICではすでに大樹町での滑走路など飛行関連施設と航空法の整備を、国へ要望している。
業務提携は、昨年夏にRpK社のチャールズ・ラウアー副社長が講演のため来日した際、CAMUI型ハイブリッド・ロケットに関心を持ったことがきっかけで、今年2月に技術協力契約を結び、今回の業務提携に至った。ラウアー副社長は、6月にとかち帯広空港と大樹町の多目的航空公園を視察し「十勝は非常に魅力的」と話している。(平野明)