東海大学生 ハイブリッドロケット 打ち上げ成功 大樹で実験高度1キロに達し分離
【大樹】東海大学工学部航空宇宙学科の学生らでつくる「東海大学学生ロケットプロジェクト」は14日、町多目的航空公園の北側にある区域で火薬を使用しないハイブリッドロケットの打ち上げ実験を行った。予定していた高度1キロに達し、ロケットの分離にも成功した。しかし、軟着陸用のパラシュートが開いた際、機体の一部が外れてそのまま落下。日が沈み、同日中の機体回収はできなかった。
(松村智裕)
東海大の打ち上げ実験は毎年この時期に行われ、今年で3回目。判澤正久教授と中篠恭一講師、学生45人が来町した。
ロケットは全長2・4メートル、直径10センチ、重さ約16キロ。機体はガラス繊維強化プラスチック製。ワックスを燃料とし、酸化剤に亜酸化窒素を使用している。発射場から半径1キロを立ち入り禁止の保安区域とした。
今回は初めて、学生がエンジンと機体すべてを製作。風が収まるのを3時間ほど待ち、午後5時15分に発射、ごう音とともに一直線で上空へ打ち上がった。
15日はロケットに搭載した加速度計、電子ジャイロなどの計測機器からデータを収集するため、機体の回収作業を行った。
学生実験責任者の堤明正さん(東海大3年)は「学生主体のプロジェクトでハイブリッドロケットを高度1キロまで打ち上げたのは日本初では。ただ、打ち上げの衝撃に対する見積もりが少なかったかもしれない」と話していた。
16日午後に再びハイブリッドロケットを打ち上げ、高度600メートルで小型模擬衛星を放出する予定。