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萩原建設工業 「重機の後方警戒AI」を共同開発 業界内では画期的

外部モニターの検知状況を説明する高山課長

 萩原建設工業(帯広市、萩原一利社長)は、重機に設置したカメラで人や車両、コーン標識などの画像を解析し、重機の死角をカバーする「重機の後方警戒AI(仮称)」を、システム開発会社のアーキット(札幌市、三浦友直代表)と共同で開発した。同社は「ありそうでなかったAI(人工知能)システム。自動施工や遠隔施工の現場でも効果が期待できる」とし、今年度中の実用化を目指している。

 業界全体でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する中、萩原建設は2021年ごろから独自のAIシステム開発に注力。22年にはアーキットと共同で、建設現場に特化したAIシステムを開発した。共同開発は2例目で、萩原建設が発案した。

 萩原建設によると、多くの現場で用いられている重機の接近検知システムは、検知漏れや重機間の接触事故などの危険性があった。「AIシステムを使って安全性を高めてほしい」という現場の声を受け、システム開発を担当する技革推進部の高山正宏デジタル推進課長を中心に昨年末ごろから開発を進めた。

 今回開発したシステムは、重機の後方、両側面に設置した3台の広角カメラと連携。対象物を設定した範囲内で検知すると、運転席と外部モニター、重機のパトランプで警告する。重機外や事務所内にいる場合でも、接近を検知し警告を確認できる。

 同社によると、最新の重機にも接近検知システムは搭載されているが、認識できるのは人のみの場合が多い。開発したシステムでは、コーン標識や車両など現場にある物体を細かく識別できるよう、正確性を高めた。高山課長は「現場の声から開発されたシステム。建設現場での汎用(はんよう)性は高い」とする。

 現在は実証実験を行っており、国交省のNETIS(新技術情報提供システム)への登録も予定している。アーキットの三浦代表は「互いの建設業界への強い思いが開発につながった。今後も地元企業との連携を維持し、労働環境改善に向けたシステム開発を発信していきたい」と話している。(廣田佳那)

関連写真

  • 人を認識し警告するモニター画面(萩原建設工業提供)

    人を認識し警告するモニター画面(萩原建設工業提供)

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