パン店「風土火水」開店10年記念、全国最高金賞の職人焼くバゲットを発売 アグリシステム
農産物卸や製粉事業などを展開するアグリシステム(芽室町、伊藤英拓社長)の直営パン店「風土火水」(帯広市西10南1)が、開店10周年を迎えた。バゲットで全国最高賞を取ったパン職人を新たに招聘(しょうへい)。節目の記念商品として、庭に咲くバラの自家製酵母を使ったバゲットを開発、4、5の両日、感謝祭と銘打って初披露する。
風土火水は2015年に開店。自社で製粉した小麦粉を使ったパンを製造販売している。同社は創業以来、環境再生型農業(リジェネラティブ農業=RA)や、有機栽培(オーガニック)を推進しており、そうした情報を発信するアンテナショップの役割も担っているとする。まき窯を使用しているのも特徴。
4月から店長を務める梅澤和矢さん(47)は千葉県生まれ、都内のIT関連会社勤務を経て東京製菓学校卒。パン職人歴25年。央製パン堂(千葉)店主だった昨年度、「第10回saf製パンコンテスト」バゲット部門で最高賞を取った。風土火水に移った思いを「生産者との距離が近く、パン職人としては理想の環境」と語り、「生産者と消費者をつなぐパンを作っていきたい」と意気込む。
新商品の名前は「バゲット風土火水」。3種のオーガニック小麦や、バラの花びらから起こした酵母を使用。梅澤店長は「バゲットは手間などを考えると、通常イーストで作られることが多い。ほんのり華やかな香りが楽しめる。道産バターとの相性がいい商品」とPR。1本460円。イベント後も販売を継続予定。
同店は多くの商品でオーガニック小麦を使用。ハード系「十勝」(4分の1カット600円)や、ライ麦パン「ロブロ」(ホール1400円)などを主軸に食パンや焼き菓子なども販売。伊藤社長によると、使用する有機栽培小麦農家は約30軒で開店当初の2倍、販売量も比例して伸びている。(佐藤いづみ)