「十勝の文化発信できる作品」 「馬橇の花嫁」上映開始で逢坂監督 出演馬との触れ合いも
昭和30年代の十勝の農村を舞台とした短編映画「馬橇(そり)の花嫁」(逢坂芳郎監督)の上映が21日、帯広市内のシネマ太陽帯広で始まった。22日は上映後に逢坂監督が舞台あいさつに立ち、作品に込めた思いや制作の裏側などを語ったほか、出演した馬の「桃姫」と触れ合える関連企画も行われた。
同作品は、1956年の十勝の農村が舞台。馬と共に農業にいそしんだ開拓時代の情景を織り交ぜながら、当時の結婚の様子が描写されている。
この日は123人が来場。上映終了後の舞台あいさつには、逢坂監督や豊役を演じた俳優の田中陸さん(東京)ら6人が登場した。制作のきっかけとなった1枚の写真の話や演出面でのこだわり、撮影の裏話などが語られた。
逢坂監督は「十勝の人にいろいろな面でサポートしてもらい、作り上げた作品。十勝の文化や歴史を世界に発信できるような良い作品ができた」と話していた。芽室町から夫婦で来場した澤田峯子さん(78)は「すごく細かく当時の様子が描写されていて、全部懐かしかった。自分の結婚式を思い出した」と目を細めていた。
映画館向かいの帯広駅北多目的広場では、ばん馬の桃姫と触れ合えるイベントも実施。映画で使用した馬そりの搭乗体験なども行われた。
映画はモノクロで約29分。3月6日までの2週間、1日2回上映される。逢坂監督は「映画館での公開を迎え、親子や祖父母と孫など、より幅広い世代が一緒に見に来てもらえれば」としている。上映スケジュールなどはシネマ太陽帯広のホームページへ。(児玉未知佳)