“本物”の芸に浸る 「一流」の俳優やアーティスト登壇、鹿追で芸術祭
【鹿追】第2回鹿追芸術祭「HONMONO-本物」が26日、鹿追町民ホールで開かれた。鹿追町を舞台にした映画「おしゃべりな写真館」に出演した俳優の中原丈雄さん、賀来千香子さんと藤嘉行監督の対談や北海道観光大使で和太鼓奏者の木村善幸さんら一流のアーティストが出演。町内外から足を運んだ約300人が、“本物”の芸にどっぷりつかった。(小野寺俊之介)
同映画の制作会社「和ら美」のスタッフらを中心とした実行委(台蔵征一実行委員長)が主催、十勝毎日新聞社後援。道内を中心とした全国各地のアーティスト5組が、歌唱や一人芝居、楽器演奏などを披露した。
世界で活躍する和太鼓と津軽三味線の「二刀流演奏家」の木村さんは、弟子たちと約1時間にわたって熱演した。三味線では「津軽じょんから節」などを演奏。和太鼓では鼓動の名曲「三宅」で会場を沸かせ、木村さんが即興演奏を披露するなど迫力の響きで来場者を楽しませた。
中原さんと賀来さん、藤監督は「役を演ずるということ」をテーマに対談した。
役に入り込むためのアプローチについて、賀来さんは「おしゃべりな写真館でいえば、オファーを受けたその日から夫役の中原さんのことをずっとイメージした。夫を残して先立つ役だったのでそこに向けた思いも積み重ねた」と語った。
中原さんは今後、演じてみたい役について「各地を転々としながら人生の背景をたどるロードムービーをやってみたい」と話し、「その中で激しい恋をする、という設定もいいね」と会場の笑いを誘っていた。
中原さん賀来さんが町の応援大使に
芸術祭の最後には、鹿追町の魅力を国内外に発信する「しかおい応援大使」の委嘱状交付式が行われ、俳優の中原丈雄さん(73)と賀来千香子さん(63)、和太鼓・三味線奏者の木村善幸さん(42)に喜井知己町長から委嘱状が手渡された。
同大使の制度は、2017年度に始まった町観光応援大使とまちづくり応援大使の2制度を統合して今年から新設した。3人は町を舞台に撮影した映画「おしゃべりな写真館」に出演、公開後も町を訪れ町民と交流を続けている。
中原さんは「鹿追のよさを雑誌や自分のラジオなどでできる限り発信したい」、賀来さんは「自然に『ただいま』と思える土地は鹿追が初めて。すてきな土地と人々のお役に立てれば」、木村さんは「海外公演でも鹿追の名を広めていきたい」とそれぞれ抱負を語った。
喜井町長は「町の魅力を町内外、世界に広くPRしてほしい」と期待した。