「やめないで」常連らの声に感謝 創業109年の帯広・栄陽堂が閉店セール 25日まで
25日で創業109年の歴史に幕を閉じる、帯広市広小路のCDショップ「浅原栄陽堂」(大通南9、吉田克司社長)の閉店セールが、17日に始まった。入院中の吉田社長に代わり店頭に立つ、妻で取締役の陽子さん(75)は「常連さんから『やめないで』の声が相次ぎ心が痛む。精いっぱい接客したい」と話している。
同店は1915年、陽子さんの親類に当たる吉田繁之助氏(故人)が吉田栄陽堂として開店。陽子さんの祖父・浅原幹太郎氏(同)が46年に引き継いで現店名となり、父英氏(同)の代を経て事業を拡大した。吉田社長は89年から現職、帯広広小路商店街振興組合の理事長も務める。
演歌や地元歌手を含む自主制作CDなども豊富に取りそろえ、ファンも多かった。数年前から事業承継を含めて将来を検討、吉田社長が神経性の痛みで昨年夏に入院したのを契機に、閉店を決断した。
17日は開店直後から常連を中心に来店。いとこの宮下恵子さんも応援に駆け付けた。商品は20%割引で提供、客はじっくりと品定めし、陽子さんとの会話も楽しんでいた。
20~22日は定価の30%引き、23日から最終日までは同半額で提供する(いずれも一部除外品あり)。陽子さんは「ニューミュージックやクラシックなど一点物も多い。早めに来店を」と話している。午前10時~午後6時。(佐藤いづみ)
◆関連記事
・広小路で109年、演歌の殿堂「浅原栄陽堂」閉店へ 「やりきった思いと寂しさと」-十勝毎日新聞電子版(2024/12/16)