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年賀状どうする? SNS主流、はがき値上げ、それでもやっぱり…

帯広郵便局の入り口に設置された年賀差出ポストに年賀状を投函する市民(15日午前11時20分ごろ)

 きょうから投函(とうかん)受け付けが始まった年賀状。近年はSNSでのやりとりが主流になった上、はがき料金も値上げした今年は「年賀状じまい」が加速するとの予測もある。それでも人生の節目を期にその価値を見詰め直し、年賀状に思いを込める人たちも少なくない。(中島佑斗)

 「今年から年賀状はどうしようか迷っている」。芽室町の40代女性は率直に打ち明ける。夫が転勤を伴う仕事のため、近況を知らせる意味でも毎年200枚前後の年賀状を出してきた。悩む理由の一つが、はがき1枚当たりの金額が10月から85円に値上げされたこと。今回で年賀状を終わりにすることも頭に入れる一方で「職場でお世話になった目上の方には、やはり年賀状でのあいさつが良いのかな」と悩む。

 日本郵便によると、2025年用の年賀はがきの販売枚数は全国で前年比25・7%減の10億7000万枚。記録が残る04年以降で最少の枚数となった。近年のSNS普及の影響のほか、郵便料金値上げによる需要減も見込んでいる。また全国の約750人に聞いたある調査では、すでに60%の人が年賀状を出していないとの結果もある。会社同士でやりとりする年賀状も減っており、市内の飲食店経営者(58)は「今年だけで5~6通、年賀状をやめると連絡がきた」とする。

 一方、年賀状による年始のあいさつは文化として定着し、節目の報告を行う手段として、今なお大切に思う人もいる。

 今年結婚した帯広市の会社員男性(29)は、お祝いをもらった人たちに年賀状を送る。「お祝い返しもしたが、年賀状で改めて感謝の気持ちを伝えたい」と一枚一枚に思いを込める。市内の小野寺正次さん(84)は昨年、結婚60周年を迎えた記念写真を年賀状に印刷し、100枚ほど知人らに送った。「やっぱり年に1度くらいは、手書きの温かみがあるものを届けたい」と話す。

 宮城県出身の市内の末永敢行さん(85)にとって、年賀状は同郷の親族とつながる手段の一つ。「スマホでも連絡はできるけど、年賀状を出すことにこだわりがある。生きている限り、出し続けたい」。送り手の思いが温度感を持って伝わる年賀状に、代わりはないと強調する。

 ◇ ◇ ◇

帯広郵便局の入り口に設置された年賀状差出ポストの横で、利用を呼び掛ける星野部長(15日午前10時20分ごろ)

 全国の郵便局で15日、2025年用年賀状の投函(とうかん)受け付けが始まった。「年賀状じまい」が広がりつつあるとされる中でも、帯広郵便局には早速、入り口付近の専用ポストへ投函する人が訪れていた。

 市内の70代の主婦は同日午前に来局。「(SNSの)LINEができる人はそれで送っているが、できない人もいる。年1回の安否確認みたいなもの。少し書いてあるだけで様子が分かる」と話し、遠方の友人や親戚へ数枚送った。

 同局の特設コーナーでは、ディズニーやトトロなどのほか、北海道日本ハムファイターズの選手がデザインされた年賀はがきも販売している。同局総務部の星野直樹部長は「伝統文化でもあり、普段会えない人への近況報告にも使っていただければ」と話した。

 25日までに投函すれば元日に届く。(高井翔太)

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