新得消防団に管内初の女性旗手誕生 分列行進で初披露
【新得】新得消防団(岩倉弘行団長、団員45人)が1995年に女性消防団員を採用して以来29年目にして、初の女性旗手が誕生した。大役を任された同団予防部の金子恵梨班長(41)=町臨時職員=は「指名されたときは驚いた。責任の重さをかみしめ任務を全うしたい」と意欲を燃やす。(佐々木健通信員)
管内の消防団(22団)でも女性旗手は初めて。旗手は団体(警察、自衛隊)などの行進で、その印となる旗を持つ極めて重要な役目を果たす。岩倉団長(67)は「(団旗は)長い歴史と伝統を誇るシンボル的存在」とする。
消防署駐車場で行った消防演習(5月20日)の分列行進で、勇姿を初披露した。同団創設109年の威厳ある団旗は、すべて手刺しゅうで作られ、中央に消防ロゴを配置。縦90センチ、横1メートル、旗棒の全長1・9メートル、重量2・5キロ。旗棒を握る手にも重量感が伝わる。
岩倉団長の指揮の下、旗手を先頭に徒歩・車両部隊が来賓・受礼者の前を威風堂々と行進。参加した38人の団員が使命感を鼓舞し、士気を高めた。行進を終えた金子班長は「緊張したが、無事役割を務めることができた」と安堵(あんど)の胸をなで下ろした。参観した町民や同僚からも温かい拍手が送られた。
金子班長は「地域の安心・安全に貢献したい」と2013年に入団。今年4月、班長に昇格。予防部のリーダーとして部員をまとめ、独居老人宅の訪問や幼児の防火指導に努める一方、災害現場では周辺警戒や安全確保に出動している。